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2019年11月17日 (日)

曾田本その2を読み解く50神道無念流立居合幾つか50の敬礼

曾田本その2を読み解く
50、神道無念流立居合幾つか
50の敬礼

太田龍峰著中山博道校閲「居合読本」神道無念流 敬礼
1、開始の場合と帯刀
第1、右手に刀を提げ正面に対し立礼し、堤刀は刀刃を上方にし栗形の下方を持ち(此際指は鍔に掛けざるものとす)体に並行に約45度の位置にする。
第2、右足より三歩前進し、両踵を揃へ蹲踞し(此際刀を右腰にし鍔を体の中央前とす)左手を地につく如くして敬礼す。
第3、右手を以って刀を体の中央前膝の線に刀背を前方にし垂直に立つ。
第4、左手を以って下緒を「スゴク」如くして、鐺の附近を持ち両手を以って帯刀する。(此際左手の拇指を鍔の右内側より前方に押し鯉口を切り食指を以て刀の抜けざる様、左外方より後方にひき鍔は概ね体の中央前にあらしむ)。
第5、起立して右足より三歩後退す(起立せる時右手は自然に垂れる)。
2、終止の場合及脱刀
第1、右手を以って刀を脱し右腰に持ち来りつゝ蹲踞して敬礼す(開始の場合と同じ)。
第2、起立して右足より三歩後退して立礼す。
刀の収め方
1、前の足を後足にひき著けると同時に刀を左肩に擔ぐ如く持ち来り左手は鯉口を持ち鞘を正位にあらしむ。
2、左手の拇指と食指とにて「ハバキ」附近を挟み右手の拇指は縁頭附近を其他の指は下方より鍔及柄を持つ
3、左足を後方に一歩ひくと同時に右手を以って刀身を前下方にひき刀尖を鯉口の所に持ち来る。
4、右足を左足にひきつけつゝ刀身を鞘に納む

曾田本その2神道無念流居合 敬礼:
1、開始の場合と帯刀
第1、右手に刀を提げ正面に対し立礼し、堤刀は刀刃を上方にし栗形の下方を持ち(此際指は鍔に掛けざるものとす)体に並行して約45度の位置にする。
第2、左足より三歩前進し、両踵を揃へ蹲踞し(此際刀を右腰にし鍔を体の中心前とす)左手を地につく如くして敬礼す。
第3、右手を以て刀を体の中央前膝の線に刀背を前方にし垂直に立つ。
第4、右手を以て下緒を「スゴク」如くして鐺の附近を持ち両手を以て帯刀する(此時左手の拇指を鍔の右内側より前方に押し鯉口を切り食指を以て刀の抜けざる様、左外側より後方にひき鍔は概ね体の中央前にある)。
第5、起立して右足より三歩後退す(起立せる時右手は自然体に垂れる)。
2、終止の場合及脱刀
第1、右手を以て刀を脱し右腰に持ち来りつゝ蹲踞して敬礼す(開始の場合と同じ)。
第2、起立して右足より三歩後退して立礼す。
刀の納め方
1、前の足を後足に引き付ると同時に刀を左肩に擔ぐ如く持ち来り左手は鯉口を持ち鞘を正しくす。
2、左手の拇指と食指とにて「ハバキ」の近くを挟み右手の拇指は縁頭の近くを其の他の指は下より鍔及び柄を持つ。
3、左足を後方に一歩引くと同時に右手を以て刀身を前下方に引き刀尖を鯉口の処に持ち来る。
4、右足を左足に引付つゝ刀身を鞘に納る

木村高士著「長州藩相伝神道無念流」神道無念流立居合 礼式:
立礼 まず刀を右手に持ち提げ(刃部を上に、下緒をたくって栗形の上部を握る)、上座に向かって立礼をする。
始礼 刀を右腰にとり、右足から演武の位置に進み、両足を揃えて其の場所に蹲踞する。刀を右腰に持ったまま左手の甲を前にして指先を下座ういて始礼をする。
帯刀 礼を終え、右腰の刀を右手を使って体の中央前に刃を手前に向けて立てる。つづいて鞘の下部(鐺の上部)に左手を添え、体の中程に鍔の内側が来るように両手をもって左腰に帯刀する。
 下緒は鞘と帯びとの間に上から掛けたらすか、または右腰の帯に結ぶ。
 蹲踞の姿勢から、左手の親指を帯刀の鍔にかけ、右手は自然にたれ、その場に立ち、左足から数歩後退して演武開始の位置に直立する。なお、終礼は始礼の逆順に行う、
 演武にあたっては発生はしない。
納刀 正眼に構えてから、切先を敵の胸元、喉元、眉間の高さにと徐々に前に大きく円を描くように出し、残心を示しながら右足を左足に引き揃えて刀身を左肩にとり、左手は鯉口を握り僅かに鞘を引き出す。刀身は肩にとったまま鎺を鯉口を握った左手の人差指に支える。と同時に、左足を右足の後方に引き、右手の柄を前下に伸ばし刀背(峯)を引いて切先を古生内に入れ、ゆっくりと刀身を鞘に納める。左足を右足に引き揃え、直立して右手を柄から放し、左手は親指を鍔にかけて当初の演武の位置に復する。なお、各業とも納刀の動作は同じであるが、逆足(左足前)で終了した場合(2、3、8、9、12本目)は左足を右足の後に引き納刀する。

木村高士著「長州藩相伝神道無念流」による「大村藩無念流体居合業手付」納刀
晴眼にかまえて右足を左足に引き揃えながら刀を左肩にとる。右手を柄から放し逆手に持ちかえる(長州藩相伝本手のまま)。左手は鞘の鯉口を握って、人差ゆびで刀の棟を受ける。右足を引いて同時に右手の柄を前に下げ刀の棟を鍔元から切先まで引いて鯉口に落とす。
 右手の柄を上にあげ、左手は鞘を押し下げながら、刀身三分の二を早く、後はゆっくりと納刀する左足を右足に揃えて直立する

木村高士著「長州藩相伝神道無念流}による戸賀崎無念流立居合業手付 納刀: 
(右、左足を進めて逆足となり、真向正面に「矢」と打込む。)右足を左足(前足)に揃え、左足を右足の後に引いて正眼に構える。足を進めて霞に一歩攻め入る。刀を左肩にとり、左手にて鞘を握り、左足を引き刀身を納める。右足より進んで、右回りに初めの位置に復する。

堂本明彦編著、中山善導・稲村栄一原著「中山博道剣道口述集」立居合初伝 納刀
術が完了した際、左足又は右足(後方に在った場合)を必ず前足につけると共に、諸手で刀を自分の前に垂直に刀尖を下にしてから左肩に刀峯を付けてかつぐ様にしてから、右手を逆手に持ち変えて左手を鯉口にして刀を前から納めるのである。

1、礼式と納刀について、資料を其の儘記載してあります。此処で認識を新たに、曽田本その2の「神道無念流居合」は太田龍峰著中山博道校閲「居合読本」」に記載されている神道無念流立居合12本の部分的に異なる言い回しはあっても手附けの書式など丸写しである事が分りました。
 「居合読本」は昭和9年1934年発行、私の手元にあるのは昭和15年1940年再版のものです。丁度曽田先生が資料集めに奔走し曾田本その1、その2を書かれたころとなるでしょう。
 土佐の居合を充分修行して、これでいいのかと思ったのでしょうか、他流の居合に興味を示された頃なのでしょう。

2、「居合読本」の居合と「中山博道剣道口述集」の神道無念流居合が異なる事が疑問として残ります。ご存知の方は御教示いただければ幸いです。
 礼式には大きな違いは見いだせませんが、納刀については、残心の有り様、左右足の動作の違い、右手を逆手に持ち変えて納刀する、順手の儘納刀するなど違いが見いだせます。
 どれがどうだと云う事も無い、同流の流派に依り師伝が異なる程度のもので、時間が経てば分派が他流を取り入れたりして変化の度合いが大きくなるものです。戸賀崎無念流立居合のみ掛声や飛び上がったり 納刀の際霞に構えたり異色です。
 次回以降から業手付に依り稽古して見て違いを見いだせればと思いますがどうなるでしょう。

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