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2019年11月27日 (水)

曾田本その2を読み解く50神道無念流居合幾つか50の10本目

曾田本その2を読み解く
50、神道無念流居合幾つか
50の10本目

太田龍峰著中山博道校閲「居合読本」より神道無念流(立居合12本)10本目
意義
敵に接近しある際、敵、刀を抜かんとするのに対して動作するも、敵、退却せるにより之を追詰めて切り倒す動作である。
動作
第1、右足を一歩出すと同時に刀を抜き敵の前肘を切る(第1本、第1動に同じ)。
 「右足より前進し二歩目(左足の地についた時)右手の拇指を下方より其他の指を上方より鍔元近く刀柄を握り右足(三歩目)を出すと同時に右手を以て刀を抜き(此時左手で鞘を前方に出す気持ちを加へ後方に振り上げ上体を左斜にして十字形をなし左足は右足につれ前方に送り概ね左足尖を右踵に接する如くあらしむ)敵の右前肘を下方より切り上ぐ」。
第2、左足より二歩前進し敵の正面を切る。
第3、刀を青眼の儘で、刀を敵に突きつける姿勢で二歩前進す。
第4、刀を上段にして残心を示す。
第5、刀を青眼に復しこれを収む。

曾田本その2神道無念流(立居合12本)10本目
意義
敵に接し居る時敵刀を抜かんとするに対し動作する敵退きたるにより之れを追詰めて切り倒す也。
動作
第1、右足を踏み出すと同時に抜刀敵の左前肘を切る1本目第1動同
 「右足より前進し二歩目左足にて柄を握り三歩目右足を出すと同時に抜刀(此時左手で鞘を前方に出す気持ちを加へ後方に振り上げ上体を左斜にして十字形をなし左足は右足につれ前方に送り左足先を右踵に接する如くする)敵の右前肘を下より切り上ぐ。
第2、左足より二歩進み正面を切る。
第3、次に青眼のまゝ突き付けながら二歩進む。
第4、次に上段にて残心を示し。
第5、青眼に直り納刀。

 居合読本も曾田本も動作は同じで、敵の抜かんとする右前肘を切り上げ、追い込んで真向に斬る。追い込む際の構えは左足踏み込み刀を左から上段に取り、右足踏み込んで真向に斬りこむので良さそうです。青眼に構えて左右と前進しつつ上段に構えて残心、其の足の儘青眼に復し、納刀。

木村高士著「長州藩相伝神道無念流」より大村藩無念流立居合業手付10本目
 その場に抜刀して諸手で上段に冠る。右足を踏み出して敵の正面に打込む。(-敵の右肘を切上げる・・長州藩相伝)更に、二足一刀で霞に攻め入り上段より真向水月まで打込む。中段となり左、右足と二歩攻め入り上段に冠り残心を示す。正眼に構える。血振い、納刀は前に同じ。

 小村藩無念流立居合10本目は、立ったままその場で刀を上に抜き上げ、諸手上段となり、右足を踏み込んで真向に斬り下すのですから、居合読本とも長州藩相伝とも異なります。文章の通りゆっくり大きくやっていたのでは何拍子になるでしょう。此処は刀を、刃を左に向け敵が打ち込んで切手も摺り落せる運剣で抜き上げるや拳を返して刃を正面に向け切り下すや左手を柄に添えて水月迄切り下す、敵怯んで後退知るを左足を踏み込み上段に振り冠り右足を踏み出し真向に水月迄切り下す。左右足と追い進み上段残心、正眼に直り、横血振り、納刀。
 無双直伝英信流正統会の附込の抜刀を立業で応じて見ました。然し読み進むに従い神道無念流居合は鞘の内からの抜き付けで相手に致命傷を負わせるか攻撃できない状況に追い込む無双直伝英信流の居合とは雰囲気が違います。抜打が不十分でも二刀目、若しくは三刀目で切り倒す神道無念流の居合とはその精神が違うのでしょう。

木村高士著「長州藩相伝神道無念流」より戸賀崎無念流立居合業手付10本目
 前の如く刀を頭上に抜く。右、左足と後退しながら上段に冠り「当」と前敵真甲に打込む。左足を右足に引き揃えて、その場に両足で飛び上り天上段となる。刀を徐々に下におろしながら右足を出し、前項の如く正眼に攻める。納刀。

 戸賀崎居合の独特な処は、斬りこむ時に「当」「鋭」「矢」戸の掛声を出す事。此の業に見られる「その場に両足で飛び上る」事。此の業では刀を頭上に抜き上げ右、左と後退しながら上段に冠り真甲に打ち込んでいます。他の教えが抜刀し、攻め込んでいます真甲に打ち込んでいます。此の場合の飛び上がり「天上段」に構える意味が何処にあるのか、解説されていませんが、此処では十分に敵を切った後に飛び上がって右弾に振り被り残心の様です。何時何処で他と異なる動作が行われるようになったのか興味のある処です。 

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