曾田本その1付録抜刀術(曽田虎彦私剣 研究中)その4四方
曾田本その1付録抜刀術
(曽田虎彦私剣 研究中)
その4、四方
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原文
是も歩ミ行内右足尓て抜き左足尓て刀を半身二胸耳添へ直二右足尓て前方を突次二左前を受希る心持尓て左後を切り右後を切り左前を切り納刀前に同し
読み
是も、歩み行くうち右足にて抜き、左足にて刀を半身に胸に添え、直に右足にて前方を突き、次に左前を受ける心持にて左後を切り、右後を切り左前を切り、納刀前に同じ。
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是も、抜けだらけですが、正面、左前、左後、右後に敵を受け、前敵が刀を抜いて上段から斬りこまんとするを、納刀したまま右足を踏み出し左手で鯉口を切り、左足を踏み出しつつ柄に右手を掛け刀を抜き出し、右足を踏み込んで敵の拳に抜き付ける。
敵怯んで下らんとするに乗じ、左足を踏み出しつつ左半身になって刀の棟を我が胸に切先前にし刃を右外に向けて添え、右足を踏み込んで前敵を刺突する。
次に左前の敵が斬りこんで来るのを受ける心持で、左肩を覆う様に受け流す体勢で、左足を右足に引き付け左足を軸に左回りで後に振り向き、上段に振り冠って右足を右前に踏み出し左後(振り向いた右の敵)の敵を切り、更に右肩を覆う様に上段に振り冠って、右足を左前に踏み替え右後(振り向いた左の敵)の敵を切る。
更に、左足を軸に左回りに左前に振り向き軸に右肩を覆う様に上段に振り冠って左前の敵を其の儘の体勢で真向に斬る。血振り納刀、前に同じ。
現代居合では、この様な相手の拳への抜き付けは失念していますが、此処は吉宗貞義の門弟として抜付けとは横一線の抜き付けで敵の抜刀せんとする拳、或いは抜刀して上段に振り冠って間を越さんとする上段の拳、又は神道無念流で学んだ下からの敵右肘への抜き付けをイメージして見ました。
状況を想定して、演じるとこの様ですが、後方の敵に自分がなった場合、或いは前左の敵であった場合、この曽田先生の動作で生き残れるか自信はありません。
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