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2019年12月 9日 (月)

道歌1秘歌之大事(林崎新夢想流 新庄藩)1の10せばみにて

道歌
1、秘歌之大事(林崎新夢想 新庄藩 元禄14年1701年)
1の10せばみにて

勢者み尓て勝をとる遍幾長刀
      ミし加(?)記刀利はうすき也
読み
狭ばみにて勝をとるべき長刀
      短かき刀利はうすきなり
(せばみにてかちをとるべきながかたな
      みじかきかたなりはうすきなり)

 狭い所での勝負は長い刀がよい、短い刀では利は薄いよ。と云っています。狭い所では刀を左右に振り回す事は出来ないので短い方が良いのでしょうが、長い刀での狭い場所での刀法は、大江居合では奥居合の居業7本目「両詰」か立業の9本目「壁添」でしょう。
 両詰意義:我が両側に障害ありて、刀を普通の如く自由に抜き難き場合にして、刀を前に抜き取り前敵を刺突して勝つの意也(河野百錬著大日本居合道図譜より)
 壁添意義:我が前面に敵を受け、左又は右に壁ありて抜刀自由ならざる場合ひ、刀を上方に抜き取りて敵を仆すの意なり。(河野百錬著大日本居合道図譜より)
 どちらも大江正路先生により古伝を改変した業になっていてこの両詰は古伝では左右に敵に詰めかけられた時の業で「抜くや否や左脇の者を切先にて突き直に右を切る。または、右脇の者に抜手を留めらるべきと思う時は右脇の者を片手打ちに切り直に左を切るべし」。で大江居合の「両詰」は大江先生による壁添の教えに依る独創でしょう。
 古伝の壁添は「壁に限らず惣じて壁に添たる如くの不自由の所にて抜くには猶以て腰を開き捻りて躰の内にて抜突くべし、切らんする故毎度壁に切りあて鴨居に切りあてゝ仕損ずる也、突くに越る事なし。就中身の振廻し不自由の所にては突く事肝要」。で大江居合の壁添は古伝の「人中」でこれは「足を揃へ立って居る身にそえて上へ抜き手をのべて打込む納るも躰の中にて納る」となります。余談ですが、人中では体に沿わせて刀を抜くという事で、現代居合の奥居合立業の「袖摺返」ではひと中での刀法としては疑問です。

 狭い所では刀は横一線の抜き付けでは無なく、刀を前に抜き出し切先が鯉口を出るや刃を返して切先を前に向け諸手で前敵を刺突する、其の際刀の長短が優劣になると云うのでしょう。
 小太刀でも充分右身になって突けば同じだと云うへそ曲がりも居るでしょうが、長い方が有利である事には変わりません。

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