« 道歌2古伝神傳流秘書より抜刀心持引歌2の13横雲 | トップページ | 道歌2古伝神傳流秘書より抜刀心持引歌2の15稲妻 »

2020年1月11日 (土)

道歌2古伝神傳流秘書より抜刀心持引歌2の14虎一足

道歌
2、古伝神傳流秘書より抜刀心持引歌
2の14虎一足

虎一足

猛き虎の千里の歩み遠からず
     行より帰る足引

「猛き虎の千里の歩み遠からず行より帰る足引き」。猛き虎は千里の道のりもものともせずに行くのだが、引き足の速さには驚かされる。剣術の鉄則の一つにゆっくりとした歩み足で前に進み、間を外して下がる時は速やかに退く事を聞かされています。
 この歌は、大江居合の無雙直傳英信流の立膝の部二本目虎一足、古伝神傳流秘書の英信流居合之事の二本目虎一足の業歌の様ですから古伝の虎一足の業手附を紐解いて、「敵太刀打かたき我に切て懸るに早く抜き合せんとすれば必ず負ける事有 能く工夫有るべし」との関係を考えてみます。
 
 古伝神傳流秘書英神流居合之事虎一足「左足を引き刀を逆に抜て留め扨打込み後前に同じ

 現代の大江居合では「正面に座す、静かに立ちながら左足を引きて刀を抜付くと同時に膝を圍う、此の圍は体を左向き中腰となり、横構にて受止める事、此体形にて刀を上段に冠り正面に向き座しながら斬り下すなり」

 後の大江居合の穂岐山先生指導による河野居合では「正面に対座する敵が我が右足の方向より斬付け来るを之に応じ其の退かんとするに乗じて上段より斬下して勝つの意なり。
 中腰になり乍ら抜きかける。右足(左足の誤植)を一歩後方に退き腰を捻るや抜付けて刀棟を以て敵刀を反撃す。左足をつきつつ右手を頭上に把り剣先を下げたるまま運びて上段にならんとす。註 諸手上段となりつつ右足に左膝を進め真向に斬り下し血振り納刀する事一本目に同じ。

 細川居合では「正面に向い居合膝に座し、例により鯉口を切り、右手を柄に掛けるなり立ち上がり、左足を一歩後へ退く、同時に刀を引抜き(刀尖放れ際に)左腰を左後へ捻り、体が左向きとなるなり(対手が向脛へ薙付け来る)差表の鎬にて強く張受に受止め、左膝を右足横へ跪きつつ諸手上段に引き冠り、更に右足踏込んで斬込み、刀を開き納め終る」細川居合は香川の剣道家植田平太郎の教えに依るもので尾形郷一貫心による梅本三男先生に伝授されたものです。

 この、虎一足の業手附けと、「早く抜き合せんとすれば必ず負ける」の歌心は、河野居合の「中腰になり乍ら抜きかける」に表されています。更に虎一足の下の句の「行より早く帰る足引き」は斬り込んで来る相手の太刀を張り受けに受ける細川居合に「左足を一歩退く退き同時刀を引抜(尖放れ際に)・・以下の手附に引き足と張り受け」のポイントを示しています。
 相手太刀を受け留めれば相手は反撃しようと前に攻めるか、後に引くかですが、その動きを張り受けた刀を以て圧するように、ぐいと攻め込み左膝を右足踵に引き付け乍上段に振り冠り、相手が引く処を、更に右足を踏み込んで切り下す。気の位勝とも云えるところでしょう。ここの心持ちは、この歌の上の句に於ける虎を思わせる処なのかとも思えます。
 
  

 

|

« 道歌2古伝神傳流秘書より抜刀心持引歌2の13横雲 | トップページ | 道歌2古伝神傳流秘書より抜刀心持引歌2の15稲妻 »

秘歌之大事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 道歌2古伝神傳流秘書より抜刀心持引歌2の13横雲 | トップページ | 道歌2古伝神傳流秘書より抜刀心持引歌2の15稲妻 »