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2020年1月17日 (金)

道歌2古伝神傳流秘書より抜刀心持引歌2の20瀧落

道歌
2、古伝神傳流秘書より抜刀心持引歌
2の20瀧落

瀧津瀬の崩るゝ事の深けれバ
     前に立添ふ者もなき哉

読み
「瀧津瀬の崩るゝ事の深ければ前に立ち添う者もなきかな」
 瀧のような急流が深い瀧坪なっていれば、その前に立ちはだかる者も居ないだろう。直訳すればこんなところかとも思えるのですが、ズキンと胸に響いてきません。

 瀧落の古伝神傳流秘書の手附
「刀の鞘と共に左の足を一拍子に出して抜て後を突きすぐに右の足を踏込み打込み開き納る、此事は後ろよりこじりを押っ取りたる処也故に抜時こじりを以て當心持有」


 座している処、後から鐺を取られたので、立ち上りながら左足を退き、鐺を上にあげ、左足を右足の前に踏込み出し柄を右胸に引き付け相手の鐺をつかむ手をふりもぐ。
 右足を一歩踏み出して柄を下げ後方の相手を鐺で打ち付けて刀を前方に抜き出し、その足踏みのまま左廻りに後ろに振り向くや相手を刺突する、右足を踏み込み上段から斬り下し、刀を右に開き納刀。
 古伝の手附から想像しながら演じるとこんなところでしょう。
「俺の教わったのと違う」って吠えてもそれ以上は書いてありません。

 大江居合の瀧落「後を向き、徐ろに立ちて左足を後へ一歩引き鞘を握りたる左手を其の儘膝下真直に下げ鐺を上げ後方を顧み、右手を膝上に置き同体にて左足を出し、右手を柄に掛け胸に当て右足を前に進むと同時に抜き、刀峯を胸部に当て、同体の儘ひだりへ転旋して、体を後向け左足を前となし、その体の侭胸に当てたる刀を右手を伸ばし刀は刃を右横に平として突き左足を出しつつ上段に取り、左膝を着き座しつつ頭上を斬る、血拭い刀を納む」

 中山博道居合の瀧落の意義「敵が我が鐺を握ろうとするのを、之を避けて立ち上がったが、尚ほ追い迫るを以て再び之を避け、遂に抜刀して振り向きつつ敵を突き刺し、尚ほ追撃する業である」
 鐺を取られたのではないそうですが、これでは長谷川英信流居合とは違ってしまうのですが、それは我慢しても、後方の相手が鐺を取ろうとする素振りを前を向いたままよくできるものです。修行が足りないと笑われそうです。

 瀧落の歌として、「瀧津瀬」は瀧のような急流で、水は川底を滑り落ちて来るのです。この業は手附の動作を演じると技が一つずつぶつぶつ切れそうで、一拍置いて次の動作に移ったのでは間抜けな隙だらけになってしまいます。滑らかな上に緩急を織り交ぜるもので、まさに瀧津瀬を滑り落ちる水の雰囲気が欲しいものです。
 瀧落をイメージし過ぎてなのか術理としてどうなのか、檀崎先生や山蔦先生の夢想神傳流の瀧落の後方刺突の動作が「・・引手をきかせて上から落すように敵の胸部に刺突し・・」の文言が気にかかります。

 歌の下の句「前に立ち添う者もなき哉」は上の句の「崩るゝ事の深ければ」を受けているのでしょうが、瀧のような急流から緩い川底に至れば瀧坪も出来ます。急流のように緩急織り交ぜてスルスルと敵手を外し、抜刀しながら相手を一打ちし後方に振り向けば、相手はそこに無防備に立って居るばかりです、右手を相手に差し込めば刺突は容易です。こんな瀧落しのイメージが浮かんできます。 

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