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2020年1月31日 (金)

道歌3田宮流居合歌の伝と曾田本居合兵法の和歌3の1規矩準縄5我気にて

道歌
3、田宮流居合歌の伝と曾田本居合兵法の和歌
3の1規矩準縄
5我気にて

田宮流歌伝口訣
我気にて己が身をつかふものそよし
      業にこゝろを奪ひ取らるな

曾田本居合兵法の和歌
 この歌は居合兵法の和歌にはありません。
  新庄藩の秘歌之大事にも有りません。

「我が気にて己が身を使うものぞ良し業に心を奪い取らるな」。直訳すれば、我が体は状況に応じた気(こころ)で使うもので、業手附に拘って心を奪い取られてはならない。と戒めています。
 現代居合の教本を読んで見ても、組太刀の手附を読んでみても明治以降から年数が新しくなればなるほど、形の有り様や、足の運びまで委しく書かれています。
 指導者による指導も、教本丸暗記の指導を越えて来ません。中には教本の読み違いや、師伝の認識違いでおかしな指導も山ほどです。初心の頃は何も分からないものですから、それでも素直に言われた通り、直された通りに学ぶのが一番です。教本を手に入れ貪るように暗記し、宗家のビデオに釘付けとなって形を学びました。
 お陰様で、演武大会などでは良い成績を得られたものです。

 然し、打ち込んで来る相手に、二呼吸半とか一呼吸半とかの間を取っていたのでは頭上に打ち込まれ一瞬気が遠くなりそうです。見事な抜付けをしたらそこで一瞬の居付きが出来て第二の敵に応じられません。右足から踏み出し、左足踏み出しながら刀を抜き出し、右足踏み込んで斬り付けようとして刀に乗ったつもりで前懸りしたら、その前に頭を打たれたり。送り鞘をしっかり取ったら小手を打たれたり。
 その流の形を覚えても、何も役に立ってくれません。この歌心は業の順番や決まり事ばかりに捉われていては、状況に応じた気による攻める体の使い方が疎かになり死に物の剣術踊りになってしまうよ、と戒めています。

 妻木正麟著詳解田宮流居合「田宮流伝口伝より」この歌の解説を読んでみます。
「身の構へはヶ様、足の踏みやうはこの様と業に拘泥する時は、気が次になって、此の身を自由に使うことならず死物のごとくなる。心気は一身の主宰なれば、心の如く体はいかやうにも使うべき也。たとへば気に行んと欲すれば、体も行く、其の如く気強剛なる時は、発する技も自ずから強い。」

 居合抜ばかりを稽古している人は、相手を想定して抜き付けていれば少しは役に立ちそうですが、その仮想敵も自分に都合の良い動作で応じる想定ばかりでは、稽古にすらならず、居合体操「一本目前」になってしまいます。
 設対者によって間と間合いを身に付けるのには、組太刀の太刀打のことや詰合などが初心には有効ですが、是とて型にはまった稽古で、相手も自分に都合の良い何時もの相手では打太刀が相当力量が有れば別ですが、形は「かたち」だから位の認識では剣舞よりお粗末でしょう。

 古流剣術のかたちは非常によくできていると思います。そうでなければ弟子は皆斬られてしまいます。現代は其の形が何とかできれば良いだけの指導ですから武術とは程遠いのは当たり前です。それでも本物は求めればその中にもある筈です。

 
 

 

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コメント

>行雲流水様
コメントありがとうございます
「居合体操「一本目前」 
良いネーミングですね。(笑) 人口も減少、況してや居合人口は前途多難。
居合術や居合道に入る前の一般普及活動には居合体操はいいかも知れません。」

現代居合は概ね居合体操ですから、それはそれでいいのでしょう。
お陰様で、熱心に道場に通われておられる方は、80代、90代の方も多く体に良い上、少しでも
上手くなりたいと勵む心もあってボケ防止にもなる様です。
お勧めです、が本物志向には今一ですから御検討を。
         ミツヒラこと松原昭夫

投稿: ミツヒラ | 2020年1月31日 (金) 14時18分

〉居合体操「一本目前」 

良いネーミングですね。(笑) 
人口も減少、況してや居合人口は前途多難。
居合術や居合道に入る前の一般普及活動には居合体操はいいかも知れません。

投稿: 行雲流水 | 2020年1月31日 (金) 11時43分

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