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2020年2月18日 (火)

道歌3田宮流居合歌の伝と曾田本居合兵法の和歌3の2の9急な為に

道歌
3、田宮流居合歌の伝と曾田本居合兵法の和歌
3の2の9急な為に

田宮神剣は居合歌の秘伝
急な為によくも丹練いたすべし
       心と刀こぶしはなすな

曾田本居合兵法の和歌
如何に人腹を立てつゝ怒るとも
       拳を見込心ゆるすな


新庄藩の林崎新夢想流秘歌之大事
人いかに腹を立てつゝいかるとも
       心に刀拳はなすな


 田宮流にしか見られない居合に臨む際の心得を歌い上げたものだろうと思います。この歌を読み解くには「急な為に」の語句に惑わされ「よくも丹練いたすべし」でまどわされ、下の句の「心と刀こぶしはなすな」でさらに落としどころが読めなくて一瞬唸ってしまいます。
 其の侭素直に読み解けば、突然刀を抜いて抜き付ける必要が出来てしまった、その時の為に十分鍛錬して置くように、常に心と刀と拳を一体にして応じられる様に心かけなさい。そんな修行の心掛けを歌っている様に思うのです。
 免許皆伝を受けても、その後稽古を怠れば、唯の棒振り体操になるばかりです。
 曾田本居合兵法の和歌及び新庄庵林崎新夢想流秘歌之大事では、人に腹を立てて怒ったとしても、拳を見つめて心を許すな、或いは心に怒りをおさめて拳を心から放してはいけない、と争いを避ける歌心です。
 田宮流の歌にも後で出て来るのですが「人さまに腹を立てつついかるともこぶしを見つめ心しずめる」とありますから、今回のこの歌は純粋な心技体及び刀の一体を悟らせる歌かも知れません。

 もう一つは、「よく鍛錬して危急に応じられる様にしなさい、心と刀は一体にして相手の拳から眼を放さないように」とも、状況によっては読めます。田宮流の目付は拳では無く「打込みは気の中すみをわするゝな」(峯谷のかねの大事なり)とあるのですが「打込みは兎角気の向かふ所に打込むものゆえ、気の中スミを敵の眉間に押しわたして其のまゝツボに打込むべし目付はいつにても敵の眉間也。これが打込みの目付也。峯谷のカネとは、峰は右肘、左肘を谷とよび、腕のかがみは両腕の縮みをいう。」妻木正麟著詳解田宮流居合より。歌には拳に目を付けると有っても眉間ですから、西條藩に伝わった田宮流の目付でしょう。峯谷の解説は新陰流の言葉を使っていますが解釈が異なります。

 しかしいくら丹練されて磨かれたとしても、曾田本にはこんな歌があります。
 大事おば皆請取れと思ふとも
           みがかざるには得道はなし

 物をよく習い納むと思ふとも
         心かけずば皆すたるべし

  

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