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2020年3月16日 (月)

道歌4無外流百足伝と曾田本居合兵法の和歌4の9兵法は立たざる前

道歌
4、無外流百足伝と曾田本居合兵法の和歌
4の9兵法は立たざる前

百足伝
兵法は立たざる前に先づ勝ちて
        立合てはや敵はほろぶる

 孫子の兵法では戦わずして勝つ事を善之善と云っています。此処での兵法を大軍を率いての兵法として読み解く事も間違ってはいないでしょうが、百足伝が其処までを要求しているとは思えません。
 しかし当然のことながら宮本武蔵の兵法35箇条にいう、兵法の道見立て処の亊「此道、大分の兵法、一身の兵法に至迄、皆以て同意なるべし。今書付る一身の兵法、たとへば心を大将とし、手足を臣下郎党と思ひ、胴体を歩卒土民となし、国を治め身を修る事、大小共に兵法の道におなじ。」同じ事と思います。

 兵法は立ち上がらない前にすでに勝ち、立合った時には敵は亡びているものだ。居合の勝負として立たざる前に先ず勝つとしたのですが、兵法は立合う前に既に勝を得ている、相手を気で圧しているというのでは小説の一節に過ぎません。
曽田本居合兵法の和歌には立合う前に勝つべき心構えや理を歌に歌っています。
居合とは心を静め抜く刀抜ければやがて勝を取なり
居合いとは心に勝が居合也人に逆うは非刀としれ
居合とは刀一つに定まらず敵の仕掛を留る用あり
寒夜にて霜を聞くべき心こそ敵にあうても勝を取るなり
待もする待っても留る事ぞ有り懸待表裏二世の根元

 妻木正麟著詳解田宮流居合の規矩準縄では「・・居合の術は勝負に拘はり、勝負を離れ、己れに克ちて己を正し、業に由りて心気を治むるの心法なり。即ち業を盡して心膽を練り、心気を治めて神明に至る。・・神術を得れば、見んことを思はずして明らかに見、問うことを思はずして心に得、聞くことを思はずして能く聞え、手の活気を求めず、足の進退を思はず、心に留めずして動静変化其の機に至る。」としています。

宮本武蔵の五輪書火之巻の枕をおさゆるとゆふ亊「枕をおさゆるといふは、我実の道を得て敵にかゝりあふ時、敵何ごとにてもおもふきざしを、敵のせぬうちに見知りて、敵のうつといふうつのうの字のかしらをおさへて、跡をさせざる心」ここまで出来る様になれば、百足伝の歌心「兵法は立たざる前に先づ勝ちて」に至れるものでしょう。立合った時には敵は何も成す事も出来ず「立合てはや敵はほろぶる」。

 

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