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2020年4月12日 (日)

道歌4無外流百足伝と曾田本居合兵法の和歌4の37剣術は何にたとえん

道歌
4、無外流百足伝と曾田本居合兵法の和歌
4の37剣術は何にたとえん

無外流百足伝
剣術は何にたとえん岩間もる
      苔の雫に宿る月影

 剣術は何に譬えたらいいのだろうか、岩間から漏れて来る月が苔の雫に宿るようなものだ。

 歌を其の儘読めばこのようになるのですが、歌い出しの、剣術は、苔の雫に宿る月影に譬えられるのだと歌っています。

 柳生宗矩の兵法家伝書では活人剣に「神妙剣は身の内の座取也」とあって、「心にて見るを根本とす。心から見てこそ目もつくべき物なれ。然れば、目にて見るは心の次也。目にて見て、その次に身足手のはづれぬ様にするを、身足手にて見ると云う也。心にて見るは、目にて見む為也。目にて見るは、足手を敵の神妙剣の座にあてんといふ事也」と云っています。
 更に「こころは水の中の月に似たり、形は鏡の上の影の如し」と歌い「右の句を兵法に取用ゐる心持は、水に月のかげをやどす物也。鏡には身のかげをやどす物也。人の心の物にうつる事は、月の水にうつるごとく也。いかにもすみやかにうつる物也。神妙剣の座を水にたとへ、我が心を月にたとへ、心を神妙剣の座へうつすべし。心がうつれば、身が神妙剣の座へうつる也。心がゆけば、身もゆくなり。心は身にしたがふ物也。」

 剣術の極意は、苔から滴り落ちる雫に、岩間から漏れて来る月がうつるように、その月の影がうつるや、速やかに打ち込む事だ。と歌っているものです。
 無外流真伝剣法訣の十剣秘訣には「神明剣」により、「変動は常に無く敵に因って転化す、先に事を為さずすなわち随う」とあって、敵の変化を移しとって動くのだとしています。更に「氷壺に影像無く、猿猴水月を捉う」を掲げ、心を波立たせずに静かに、澄んだ心で相手の心を移しとって、感応するのだと云います。此処では業のあり様では無く、剣術とは、相手の動きを感じ取ってするものだと歌っています。

 宮本武蔵も兵法35箇条で「心の持様は、めらず、からず、たくまず、おそれず、直ぐに広くして、意の心かろく、心のこころおもく、心を水にして、折りにふれ、事に応ずる心也。水にへきたんの色あり。一滴もあり、蒼海も在り。能々吟味あるべし。」

水にうつる月の歌
田宮流歌伝口訣
水月をとるとはなしに敵と我心の水に澄むにうつらふ
うき草はかきわけ見ればそこの月ここにありとはいかで知られん

笹森順造著一刀流極意
水月之事
早き瀬に浮びて流る水鳥の嘴振る露にうつる月影
敵をただ打と思ふな身を守れおのづからもる賤家の月

曽田本抜刀心持引歌
水月の大事
水や空空や水とも見えわかず通いて住める秋の夜の月

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