« 道歌4無外流百足伝と曾田本居合兵法の和歌4の30目には見えて手には | トップページ | 道歌4無外流百足伝と曾田本居合兵法の和歌4の32習ふより慣るゝ »

2020年4月 7日 (火)

道歌4無外流百足伝と曾田本居合兵法の和歌4の31心こそ敵

道歌
4、無外流百足伝と曾田本居合兵法の和歌
4の31心こそ

無外流百足伝
心こそ敵と思いてすり磨け
       心の外に敵はあらじな

 自分の心こそ敵と思って修行しなさい、心の他に敵は居るわけはないでしょう。

 己の心の中に敵が居ると云うのです。
 沢庵和尚の不動智神妙録は「心こそ心迷はす心なれ心に心心許すな」の歌で終わっています。
 これを柳生宗矩は兵法家伝書で「さる歌に 
 心こそ(妄心とてあしき心也。わが本心をまよはす也)、
 心まよはす(本心也。此心を妄心がまよはす也)、
 心なれ(妄心をさして心なれと云ふ也。心をまよはす心也とさしていふ也。妄心也)、
 心に(妄心也。此妄心にと云ふ也)、
 心(本心也。心殿とよびかけて、本心よ妄心に心ゆるすなと也)
 心ゆるすな(本心也。妄心に本心をゆるすなといふなり)」
 この歌の兵法への解説は兵法家伝書活人剣に述べられています。心には本心と妄心の二つがあって、本心は本来の面目であり、妄心は血気であってはやる心、激しやすい心で非を以て理となすのだと云います。妄心がおこれば、本心がかくれ妄心となり皆悪しき事のみあらはるゝ也。というわけです。

 無外流真伝剣法訣十剣秘訣の翻車刀「互に争い有るに似たり、鼓舞還りて動かず」の教えの軸のぶれない動きを示唆していますが、この本心を妄心によって、血気にはやって本来やるべき事はぶれてしまうことをも戒めている気もします。玄夜刀に云う「陰陽測らず」で相手が何をしでかすかは計り知れない、従って、血気にはやって当て外れな動きをすれば必ず負ける、己の心を静めて神妙剣によって相手の変動はいつも同じと云う事はあり得ないのだから敵によって転化するのだ、だから己の妄心を本心によって押さえるべきもので、事を先に為さず敵の動きに随って、水月感応であるべきものだ。敵は己の心の中にある。と歌っているのでしょう。

 この歌心を、真剣勝負の心得とばかりに思うのでは修行足らずの演舞派でしょう、常の稽古の際により真剣に心掛けることが出来れば、形稽古が忽ち生きた稽古に成る筈です。良い稽古をした、いい稽古を見せてもらった、そんな稽古に打ち込みたいものです。

 曽田本居合兵法の和歌から、この歌心を彷彿とさせる歌を載せておきます。
 居合とは心を静め抜刀抜ければやがて勝を取るなり
 居合とは心に勝が居合也人に逆うは非刀としれ
 いかに人腹をたてつゝ怒るとも拳を見込心ゆるすな

  田宮神剣は居合歌の秘伝
 居合とは心を志ずめだす刀かたなぬくればやがて勝ちをとるなり
 居合とは心に勝つが居合なり人にさかふは非法なりけり
 人さまに腹を立てつついかるともこぶしを見つめ心志ずめる

|

« 道歌4無外流百足伝と曾田本居合兵法の和歌4の30目には見えて手には | トップページ | 道歌4無外流百足伝と曾田本居合兵法の和歌4の32習ふより慣るゝ »

道歌4無外流百足伝」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 道歌4無外流百足伝と曾田本居合兵法の和歌4の30目には見えて手には | トップページ | 道歌4無外流百足伝と曾田本居合兵法の和歌4の32習ふより慣るゝ »