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2020年8月 1日 (土)

道歌6塚原卜伝百首6の1武士の名に

道歌
6、塚原卜伝百首
6の1武士の名に

武士の名にあうものは弓なれや
        深くもあおげ高砂の松


 武士(もののふ)の名にあうものは弓で、高砂の松の様に人々から深く敬われるであろう。

 武士と書いてここは「もののふの」と読むのでしょう。もののふは武勇をもって戦陣に立つ武人、つわもの、ぶし。武士は弓矢をとり用いることを勤めとすること。ゆみやとり、ゆみとり。武士とは武芸を習い軍事にたずさわった者、さむらい、もののふ、武者、武人(広辞苑より)

 高砂の松とは何処の土地の相生の松を卜伝は言って居るのか解りません。一般的に知られているものは兵庫県高砂市の高砂神社境内にある黒松と赤松が基部で結合した相生の松を指します。
 百人一首では「たれをかも知る人にせむ高砂の松もむかしの友ならなくに」と歌われています。卜伝は廻国修行の途中で高砂の松を見知ったとも思われますが、私は小倉百人一首にある、或いは古今集からこの歌を聞き知って、高砂の由来を引用したのだろうと思います。
 この歌の作者は9世紀から10世紀の人で藤原興風古今集に収録されています。小倉百人一首には、鎌倉幕府の御家人宇都宮頼綱が京都嵯峨野の小倉山に別荘を建てた際、その襖に付されています。其の百首が小倉百人一首なのです。歌は藤原定家によって選ばれています。

 武士のことを「ゆみとり」と云ったのは卜伝の生きた時代背景から、太刀・薙刀・弓を扱う武人を云い、弓への憧憬は源平盛衰記や平家物語の時代への思いからによると思います。那須与一の扇を射る話や、義経の八艘跳などでも武士の持つ武器のメインでもあったのでしょう。種子島の伝来は卜伝54歳の頃でその威力が喧伝されるのは卜伝死後10年の長篠の戦い以降でしょう。武器も薙刀から鑓、太刀から刀、弓から鉄砲へと大きく変わって、戦闘方法も変化していく時代だったと思います。
 そんなことを思いながら、この卜伝百首の一首目を読んでいました。この歌で卜伝は何を伝えたかったのでしょう。武士の象徴であった弓について卜伝は何を残していったのでしょう。
 卜伝の時代には意味のある歌も、現代ではと云うより私には何も心に響いて来ない。

 塚原卜伝は延徳元年1489年生まれ元亀2年1571年83歳で没したとされています。 

 この期間の主な出来事
長享元年 1487年  愛洲移香斎愛洲陰流を興す
  2年 1488年  香取神道流飯篠長威斎没す
延徳元年 1489年  塚原卜伝出生
永正2年 1505年  塚原卜伝第一回廻国修行に出る
                                (卜伝16歳)
  5年 1508年  上泉伊勢守秀綱上州大胡に生まれる
                               (卜伝19歳)
*上泉伊勢守は卜伝より19歳年下となります、
   卜伝が上泉伊勢守に師事した話がありますが、さて如何なものでしょう。
      15年1518年  塚原卜伝第一回廻国修行より帰る
                                (卜伝29歳)
  16年1519年  北条早雲没す
大永2年 1522年  塚原卜伝新当流を号す。
            塚原卜伝第二回廻国修行に出る
                                (卜伝33歳)

天文2年 1533年  塚原卜伝第二回目廻国修行より帰る
                                (卜伝44歳)

  3年 1534年  織田信長生誕
  6年 1537年  豊臣秀吉生誕
  11年1542年  林崎甚助重信生誕
            徳川家康生誕
      12年1543年  種子島伝来
弘治2年 1556年  塚原卜伝第三回目廻国修行に出る
                                (卜伝67歳)

永禄2年 1560年  織田信長桶狭間の戦い 
  4年 1561年  川中島の戦い
  10年1567年  伊達政宗生誕
元亀2年 1571年   塚原卜伝第三回廻国修行より帰る
                                (卜伝82歳)
                                 塚原卜伝没す82歳)
天正10年1582年   本能寺の変
慶長5年 1600年   関ケ原の戦い

 

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