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2020年9月 1日 (火)

道歌6塚原卜伝百首6の32目貫をば長きを好む

道歌
6、塚原卜伝百首
6の32目貫をば長きを好む

目貫をば長きを好む方はよし
      短く高き目貫嫌えり

 目貫の長いのを好んで柄に添えるのは良いが、短くて背の高い目貫は好ましくない。

 この歌の祐持写しは「長きを好む方はよし」と書写していますが、別本は「目貫をば長きを好うてはらて短き高き目貫きらへり」と読んでいます。
 卜伝百首の原本は現存しているのかいないのか不明です。それなりに卜伝百首が読まれていますので参考にしながら勉強しているのですが、別本の「好うてはらて」は私には「長いのは良い、腹て短く高い目貫は嫌う」と読んで見ますが「腹て」とはでつまづきます。
 卜伝の実戦から身に覚えた良し悪しですから、其れなりにと思いますが、和歌の短い文章ではすべてを語り切れていないために泣かされます。「卜伝の刀の柄巻は菱巻を嫌って、革紐を平に巻き付けた柄巻に目貫を柄巻の上に添え柄紐で押さえ漆で固めた」のかなと勝手に想像してしまいます。
 其の為柄を握った時、目貫が短く背が高いと手の内に違和感があり、斬撃の際に影響するのかなど思いめぐらします。

 卜伝の言いたいことが聞こえて来ないのは、室町時代中期から末期の日本史レベルの情報はあっても、刀剣に関する情報は細切れの「刀身・鎺・切羽・鍔・縁金・淵頭・柄・鮫革・革糸・目貫・目釘」などが主で、それも部品ごとの材質やデザインなど細切れ情報に過ぎません。

 戦う際の柄の太さや、長さ、固さ柔かさ、柄手の握方などの情報が無い。部品から読み取れと云っても無理でしょう。読み取るには卜伝の業技法に通じなければ読み取れません。
 刀装具としての部品の材質や形、芸術性は十分あっても、兵法の有り様は、それでは読み切れないものです。
 戦国期の部品類は江戸期にも、多少色香が変わっても同じ部位に使用されているのですから、其処から夫々の流派の極意業を持って読み取ることになるのでしょう。
 

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