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2020年11月19日 (木)

月之抄を読む7、天狗抄 太刀数八つ

月之抄を読む
7、天狗抄 太刀数八つ

天狗抄 太刀数八つ
花車 明身 谷待 手引 乱剣 序破急
老父の云く此太刀は構を習として、これより切掛、序のうちにて表裏をもととして用る太刀これ也。
是より敵の転変に随う心持あり。ふたつ具足打もの、二人あいてにして勝心持を此内にて秘事とするなり。
皆太刀なり。此の余にきられぬ構を専としてつかふ太刀二つあり。
私云古流には天狗の名を目録に書せるありまゝ多し。
老父はかくのことし。

 天狗抄は太刀数八つ 花車(かしゃ)、明身(あけみ)、谷待(たにまちと書かれていますが、芳徳寺伝には谷の右脇に善の文字が書き加えられ善待(ぜんたい)では無いかと暗に示されています。)、手引(てびき)、乱剣(らんけん)、序(じょ、雅楽などで、曲の最初の部分、ものごとの始め、いとぐち)、破(は、雅楽で、曲の中間の部分、やぶる)、急(きゅう、雅楽などで、最後の拍子の速い部分、いそぐ)。
 太刀名は花車、明身、谷(善)待、手引、乱剣の五つしか示されていません。序破急の文字の意図するところを各太刀に宛がえば五×三で十五になってしまいます。然しこの表示からは序・破・急の心持ちとして太刀数八つと思えてしまいます。

 正徳6年1717年の柳生新秘抄に依れば花車・明身・善待・手引・乱剣・二具足・打物・二人懸の八つで五箇の太刀とされています。

 老父の云く、此の太刀は構えを習い事として、その構より切り掛かり、初めはゆっくりと表裏(隠し、謀る心。振り。武略)をもととして用いる太刀がこの天狗抄である。
 表裏を仕掛け、是より敵の転変に随う心持ちを以て習うものである。天狗抄の太刀数八つには、二つ具足(二刀に依り二本)による打ちもの、そして、二人を相手にして勝つ心持ちを習うのである。天狗抄の内の秘事としてこの三本は秘事とするのである。
(是が二具足、打物、二人懸なのでしょう。)
 皆太刀に依るものである。此の余に(他に)斬られない構えを専らとした太刀が二つある。
(太刀二つが別にある様な雰囲気ですが、さて、月之抄に書き込まれているのか、その謂れが何なのか疑問です。)
 私云う(柳生十兵衛三厳は云う)古流には天狗の名を目録に書せるあり。まゝ多し、老父は斯くの如し。

 「天狗とは当流先哲の説によれば、天狗は山気にして、時あり形をなすものとされ、本来無形なれども、敵によりて形をなすもの。もとよりこの道は無形の位にして、敵に応じて形をなすを本原とする」(天狗抄について「月之抄と尾張柳生」は長岡房成の「新陰流兵法口伝書外伝」を引用して言う。赤羽根龍夫著柳生厳周伝の研究(二)より)

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