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2020年11月12日 (木)

月之抄を読む2、新陰流兵法目録 序 閑長老作の3

月之抄を読む
2、新陰流兵法目録
序 閑長老作の3

 粤(ここに)、上泉武蔵守秀綱公という者有り。東関の豪英也。遍(あまねく)天下の剣客の門を扣(叩く)いて、其の閫奥(こんおう、敷居の奥)に至る。最も陰之流に於いて堂に升(のぼる、昇る)り、室に入る。
 世、之を新陰流と謂(いう)。弱を以て強を制し、強を以て弱に勝つ、長を以て短に入り、短を以て長に入る、吹毛横に按(おさえ)、金翅を海に劈(きる、つんざく)、莫耶(莫邪)を竪に扣(叩く)。怒雷天を破る。天下其の鋒に当たる者無し。
 柳生氏但馬守平宗厳公という者、和州の英産也(大和柳生の庄生まれの英才)。齠齔(読みちょうしん、おさなくして)自ずから志を剣術に遊び、諸流を泝(さかのぼる)や淵源なり。
 新陰の最も秀でたるを知る。而して秀綱公に従いて遊ぶは幾温涼(幾年か)。造次(ぞうじ、意味は咄嗟)も兵に於いてし、顛沛(てんぱい、意味は咄嗟)も兵に於いてす。
 是を以て其の妙を得、其の頤(おとがい、意味はあご)を探るも、師を迥(はかり)見るは遠しかな。其の兵の用に到は、七縦八横、千変万化、半合半開、双発双収、風の帆を使い見るが如し、兎に鷹を放つを見るに似たり。一刀を揮えば(ふるえば)三千の剣客容を改め色を失う。
 長鎩を振るえば則八万の豼貅(ひきゅう、意味は伝説上の怪獣、兵)の心を動かし目駭(おどろく)。虎山に靠(もたれる)如く、竜雲を拏(とらえる)。実に兵道の冠冕(かんめん、意味は一番優れているもの)となる。天下の剣客靡全(ひょうぜん、意味はなびく)として其の門に入らざるは無しや。 

 上泉秀綱の剣を柳生石舟斎は学び、天下の剣客其の門弟に成らざるは無し。と褒めたたえています。この時代、徳川将軍家に取り立てられ、諸侯もそれに追随するほどの兵法家であったのでしょう。それにしても語句で飾り立てています。
 

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