月之抄を読む11、習之目録之事11の46左足積り運び様之事
月之抄を読む
11、習之目録之事
11の46左足積り運び様之事
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11の46左足積り運び様の事
父云、詰べきと思う心有らば水月を近く積り取るべし。外さんと思うには、水遠く取たるよし。足の運びは何時も後の足の早く寄せ掛くる事専ら也。◯(引?)当流にはからす左足と云う心なり。
亡父の録には何とも無し。
亦云、左足は、浮き立って軽ろき良し。運びは如何にも静かに小足なるよし。大形一尺ばかり程づゝ、拾い歩く心也。下心はつみて、上、静かなるにしくはなし。
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父云、敵に詰めるべきであると思う心が有れば、水月(間合)を近く取るべきである。敵との間合を外そうと思うには、水月を遠く取るのが良い。足の運びは何時でも前足に後ろの足を早く寄せて掛かるのを当然とするのである。◯当流にはカラス足は左足からと云う心である。
亡父の録には「左足積り運び様の事」について何も書かれていない。
石舟斎の「没茲味手段口伝書」の「五観之大事」の「佐曾久積位知事(さそくつもるくらいをしること)とあります。さそくは左足で水月を無拍子で静かに越し右足を踏み込んで打つ。その心持は「新陰流截相口伝書亊」の「水月付位を盗む事」で「心法は形無く十方に通貫す、水中の月鏡裏の象」とあります。
亦云、左足は浮き立って、軽いのが良い。足の運びは如何にも静かで、歩幅は狭い小足が良い。大方一尺ばかり程づつ、拾い歩心地である。下心は充分にして、上の心は静かであるに越した事は無い。
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