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2021年1月 7日 (木)

辛丑(かのとうし・しんちゅう)

辛丑(かのとうし・しんちゅう)

 令和3年2021年の干支は辛丑、丑年です。
 令和も早いもので3年目を迎えてしまいました。毎年11月初めか12月初めには干支を読むのカテゴリーで翌年の干支を辿っていたのですが、この辛丑の資料を集めていると何だか気が乗らず、「そのうちそのうち」と思いながら、年を越してしまいました。幾ら丑は馬と違ってのんびりしていて諺に「牛の歩み」とあるように、進み具合の遅い事の譬えにされていますから、そんなものかとも思っています。
 遅ればせながら書き出したのは、このブログでもコメントをいただく事もある無銘様から「今年の干支はどうしたの」と、ありがたい事に寝ていた目を覚ましていただけたわけです。 

 気が乗らなかった事を上げると、令和2年を振り返って見れば、地球上で猛威を奮っている新型コロナに翻弄されただけの一年であったとしか言いようがない。
 安倍のマスクを筆頭に結果としてろくでもない事に右往左往するだけで、何ら根本的な事が見えてこなかった。それは、今の日本がどんどん世界から取り残されていく萌しのような印象を受けたとも言えます。
 生活必需品や食料などは高い率で自給すべき事が忘れられている実態を浮き彫りにし。生活に根差した研究開発が著しく遅れて其れは政治にも、あらゆる分野で見られる。たいして役にも立たない自分の城を守っているのが精一杯の印象を受けてしまいます。
 新型コロナが緊急事態であるならば、それを集中的に短期間で解除できる政府の設立による実戦型知能集団組織を作るまでの意気込みもなく、現場任せのお粗末です。やってると云っても他の分野にまで踏み込まない、踏み込ませない組織では意味は無い。

 それでも、何かめぼしい事があるかと辛丑の過去を振り返って見たのですが、60年ごとの歴史の中の一年ですから前後の流れの中に左右されるのは当然ですが、その年の動きの中から歴史上の大きな動きが見いだせない事にも辛丑の年の特徴でもあり興味がわかず気乗りしない事の一つでもありました。

 令和2年は早々から、公共施設の閉鎖などで居合も古流剣術も刀や木刀を自宅で振う、個人稽古になってしまいました。
 勝ち負けを争うスポーツ剣道と違い、仮想敵相手の稽古は、技の習得には大変役に立つのですが、ともすると自分に都合よく切られてくれる相手の想定に陥ります。言い替えれば武術が「かたち」になってしまい「演舞」は出来ても「武術」に至らないのです。
 令和2年は、早々から無双直伝英信流の古伝神傳流秘書から抜刀心持引歌、田宮流歌の伝、無外流百足伝、柳生石舟斎兵法百首、卜伝百首とたてつづけに兵法の古歌を読み漁って稽古不足を、心の修行に置き替えて来ました。
 今年は昨年末から令和3年7月まで柳生新陰流の「月之抄」を読み込んでいます。歌の心と技法が重なり合い、四苦八苦しながら臨んでいる処です。そして多くの気付きも有ります。

   辛丑を境に、今までの之で良いと思う、自らの諸々を見直し新たに一から始めたいと思います。
 年賀状には「萬法帰一」の偈を書きました。

辛丑が終わらない内に干支を読んで見ます。  Dsc07168-3202012246

1、令和3年は十二支は丑(うし、ちゅう)
 日本では牛の年です。十干は辛(かのと、しん)。干支は辛丑(かのとうし、しんちゅう)です。
 辛の文字は「しん、からい、つらい、かのと、からし」で鋭い刃物を描いた象形文字で、刃物でぴりっと刺す事を示す。転じて刺すような痛い感じの意。「辛労、辛気、辛苦、辛抱、辛烈、辛勤、辛酸、」など。辛は薪の原字とも云われる。(藤堂明保著学研漢和大事典より)。収穫の喜びであると共その労働は辛い事を顕わすとも云います。

 丑の文字は「ちゅう、うし、」十二支の二番目、時刻では今の午前2時、及びその前後2時間、方角では北北東、動物では牛に当てる。丑はつかむの原字。手の先を曲げてつかむ形を描いた象形文字。すぼめ引き締める意を含み紐(しめひも、しめてひねる)などの音符となる。手・守と同系の言葉。(藤堂明保著学研漢和大事典より)。手がひどく曲がった姿を示す、植物が地下でなお屈曲して伸びかねている時期を顕わすともあります。

 この様な文字から判断すると辛丑の年は「痛みを伴うつらい事があちこちに起こり得ると同時に、その中から新たな芽生えの息吹が起る年」である様です。コロナが終息できても、そのまま元に戻れるとは言い難い、コロナが猛威を奮っていても新しい事に挑戦していく心構えと実行を要求されているのだと思えて仕方がありません。

2、丑(牛)の諺
 1、丑申高に巳豊年(丑申の年は不作で巳は豊作)
 2、丑の刻参り(午前二時頃のお参り)
 3、草木も眠る丑三つ時
 4、牛売って馬を買う(優れた方に乗り替える事)
 5、牛に引かれて善光寺詣り(偶然善い方に導かれること)
 6、牛の歩み(進み具合が遅い)
 7、牛も千里馬も千里(遅速は有っても結局は同じ所に到達すること)
 8、牛飲馬食(大食い)
 9、牛耳を執る(成り行きを支配する)
10、牛刀を以って鶏を割く(大袈裟な手段を用いること)
11、鶏口となるも牛後となる勿れ(大きなものに随うより小さなものでも頭になった方が良い)

3、丑を詠んだ俳句
  喰ふて寝て牛にならばや桃の花 蕪村
  春風や牛にひかれて善光寺   一茶

  現代俳句には幾つもある様ですが、古いものはこれのみと致します。

4、丑(牛)を祀ってある神社
 菅原道真を祀ってある神社には牛も祀られています。
 湯島天神(東京)
 北野天満宮(京都)
 大宰府天満宮(福岡)
 防府天満宮(山口)
 道明寺天満宮(大阪)などが有名です。

5、辛丑の有名人のうち還暦を迎えられる方々。
 柳葉敏郎・中井貴一・賀来千香子・田原俊彦・藤あや子・松原のぶえ・渡辺徹・哀川翔・三谷幸喜の方々。

6、辛丑の過去
 1961年昭和36年 第二次池田隼人内閣
  貿易自由化、重工業関係300品目
  所得倍増計画初年度
  第二次防衛計画(ミサイル装備強化)
  第二室戸台風

 1901年明治34年 第四次伊藤博文内閣
    伊藤博文日露協定交渉開始
  福沢諭吉没

 1841年天保12年 仁孝天皇 徳川家慶将軍
  幕府天保の改革始まる
  幕府奢侈禁止令

 1781年天明4年 光格天皇 徳川家治将軍
  この春疫病流行

 1721年享保6年 中御門天皇 徳川吉宗将軍
  評定所門前に目安箱設置
  信州浅間山噴火

 1661年寛文4年 後西天皇 徳川家綱将軍
  京都大火禁裏炎上

 1601年慶長6年 後陽成天皇 
  家康大阪城より伏見城に移る
  上杉景勝120万石を米沢30万国に移す

 1541年天文10年 後奈良天皇 足利義晴将軍
     北条氏綱と今川氏輝、甲斐に武田信虎を破る

 1481年文明13年 後土御門天皇 足利義久将軍
  一休宗純没

 1421年応永28年 称光天皇 足利義持
  鎌倉円覚寺火災 飢饉疫病流行

 1361年南朝正平16年 後村上天皇 足利義詮将軍

 1301年正安3年 後二条天皇 執権北条師時
  鎌倉大火

 1241年仁治2年 四条天皇 執権北条泰時
  藤原定家没

 1181年養和元年 安徳天皇 
  平重衡、源頼朝追討 
  義仲越前で通盛を破る

 1121年保安2年 鳥羽天皇

 1061年康平4年 後冷泉天皇

 1001年長保3年 一条天皇
  この頃枕草子なる

 941年天慶4年 朱雀天皇
  海賊の横行
 881年元慶5年 陽成天皇

 以下略す

7、2021年令和3年を夢見て
 新型コロナなどは、前からあるインフルエンザより感染率も死亡者数も低い、マスコミや政府が騒ぐばかりだ、その証拠は若者の感染率も重症化も低い。などと、責任の無い誰かがインターネット上で配信したのを真に受けて、現状対策について否定的な事を云っている人もいる。
 Go to travelよしとして、観光地に密集してこの暮れも正月も所によって若者があふれていた。何の事は無い、暮れから正月を過ぎても相変わらず「感染者数過去最高」の印が一向に消えて来ない。死亡者数も増え続けている。
 テレビなどの公共放送が流す事と、インターネット上に流される事にギャップがあって、自分に都合の良い方を人は取るのは当然なので、テレビの報道は無視して都合の良い方に偏っていくのは、自然の理でしょう。特に若者の様にテレビよりネットの方が優先なのはやむなしです。
 しかし実態は悪化を止めてはいない。

 夢に見るのは、何故日本でコロナのワクチンや治療薬が開発されてこないのだろう、日本製を打ってもらいたい。それほど日本の医療は貧困なのだろうかと悪夢を見ています。

 大学は教育の場で研究開発を主としない。医療薬の会社は決められた調合の薬を作って稼ぐだけ。コストのかかる研究開発などやってられない。医療現場は経験値で治療するだけ。いやそんな事は無い現場はあらゆる知識や情報を駆使して日夜頑張っていると叱られ、「お前がコロナに懸ったら門前払いしてやる」と云われそうです。放り出されればミツヒラに接触したクラスターが出てしまう。
 コロナから垣間見えるどこか変な日本。もう一度根本的な処を見直さないと、どんどん世界から後れを取るだろうな。そんな夢を見ています。 

 地球上で生きる人類一人一人は、国境も、権力者の囲い者でも無い。他国からつまはじきされる理由も無い。特定の権力者に依る国と云う囲いの為に、不利益を受けるなど、あっていいわけはない。今いる場所で自分の力量に応じて平等に生きる権利を与えられているはずなのに。

 

 

  
   

 

 

 

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コメント

無銘さま
コメントありがとうございます。
夫々の思いで、前に向って歩いて行く、そんな事を夢見ています。
     ミツヒラ

投稿: ミツヒラ | 2021年1月 7日 (木) 22時25分

ミツヒラ先生
早々のご対応ありがとうございます。
「痛みを伴うつらい事があちこちに起こり得ると同時に、その中から新たな芽生えの息吹が起る年」
そうかもしれません。
刃の下を潜り抜ける心持ちが英信流だと思っています。
流派にふさわしい乱世が来たと思い、生きる事にします。

投稿: 無銘 | 2021年1月 7日 (木) 20時43分

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