2017年6月 2日 (金)

春から夏へ

 五月になると、湘南地方は早々とサクランボの佐藤錦が赤い実を輝かせてくれます。 然し早起きの小鳥と食べ頃の見分けの競争です。
 明日の朝一番にと収穫しようと思って行って見ると、残っているのはカメムシに果汁を抜かれ萎んだものや小鳥が試しに啄んだ片割れのサクランボばかりです。
 楽しみにしてくれているご近所のお婆さんに、少しでもお裾分けと心がけるのですが「今年も小鳥にやられました」と言い訳ばかりです。
 
 タマネギもすっかり大きくなって、地面から浮き上がって収穫時です。こちらは小鳥も虫も寄り付かないので「もう少し大きく」などと思っていると夏みかん程になってしまいます。
 大型スーパーの園芸売り場で買った苗では、土地に合わないのか育ちが悪く、農協で仕入れた苗や、種から育てた苗の方が良く育っています。
 
 数年前に苗から育てたイチゴは、勝手に蔓を伸ばして、勝手な所に生えて、九条ネギの畝の脇とか、タマネギの間とか、ミントの群落に大きな赤い実を葉陰にそっと実らせて食べ頃です。毎日数粒ずつ採れて楽しむばかりです。来年はイチゴの畝を作ろうなどとは、少しも思わない怠け者です。
 
 五月の半ばから、コジュケイがけたたましく「チョットコイ・チョットコイ」と鳴いています。わずかに残された里山に命を繋いでいる様です。
 五月も終わる頃から、待ちに待ったホトトギスが「トッキョ キョカキョク」と日の出前から早口言葉です。
 
 実生の枇杷がようやく実を付けて、このところ日増しに黄色が濃くなってきています。一つもいで、口にしました。
 甘さは今一ですが新鮮な甘酸っぱさが口いっぱいに広がってきます。もう少し熟してからと思うのですが、タイワンリスが里山の木々を渡り歩いています。カラスも狙っていそうです。
 効果は解りませんが、紙袋をかけて見たのですが、一昨日夜の土砂降りの雨で破れてしまいました。もういいや、小さな生き物と共生の覚悟です。
 ご近所の庭にある枇杷は今年はブドウの様に実って枝が垂れ下がる程になっています、うちのは、その3倍は大きいと自己満足です。
 
 今年は、3月から4月初めの気候が合わなかったのか、昨年の猛暑にやられたのか、春の蝶の数が少なかったのです。5月半ばから忽ちにぎわい出して楽しませてくれます。ミカンの花に俗名鎌倉蝶のモンキアゲハがナガサキアゲハやクロアゲハと乱舞しています。
 
 風に煽られているアカボシゴマダラのメスが榎の廻りを舞っています。
 
 羽化したばかりで笹に羽を休めるアゲハチョウ。
 
 タイワンホトトギスの葉裏にルリタテハの痛そうな棘をもった幼虫が夢中で柔かそうな葉をむさぼっています。
 そろそろ蛹になりそうなくらい大きくなってきました。
 
 アブラナ科の野菜は、モンシロチョウが集まって来て、「卵を産んで青虫だらけになるからやめたら」と忠告しておいたのに、「昨日はモンシロチョウを36匹捕ったのに今日も捕り切れない程来ている」と言って、蝶を眺めて喜んでいる私に「遊んでないで捕れ」と怒り出すしまつです。とうとうキャベツ畑は、キャベツの芯を露わにしてモンシロチョウの天国になってしまいました。
 
 わずかに残された都会の里山と田園は、小さな生き物が集まって来ています。お陰様で葉先が触れたりして腕はかぶれてかゆい事、かゆい事。
 紫陽花が色づいてきました、夕暮れ時には蝙蝠が燕返しを繰返しています。
 
 
 
 
 
 

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2015年12月18日 (金)

ルリタテハの羽化

今朝(12月17日)出がけに靴を引き寄せますと、靴の裏にルリタテハが着いていました。
昨日(12月16日)は、サンルームに入り込んでバタバタする小さな影が写りますので覗いて見ると、ルリタテハでした。昨日、今日と気温が高く日中などTシャツでも良い位でした。
16日のサンル-ムに入り込んだのは、外から羽化して跳び込んだものと思われます。
17日のは、11月16日に台湾ホトトギスの葉を食べつくし、残っていた花も綺麗に食べてしまい翌日、そのタイワンホトトギスで蛹になっていたものです。
この子は、玄関に置いてある茶釜の灰に茎ごと刺して置いたものが羽化したのです。
サンル-ムの子は、外へ追いだしてやりました、越冬して生き残り春には飛んで見せてくれればと思います。
 靴の裏に着いて居たのは、知らぬ間に潰してしまったので触角を震わせていましたが助け様はありませんでした。成虫の採集記録として標本にさせてもらいます。
逃がしてあげたのも、標本となったのも少々小ぶりです。
 
 ルリタテハは、北海道より九州、南西諸島にいたる各地に分布し、国外では朝鮮半島、中国、台湾よりインドにわたって分布、スマトラ島、ジャワ島、カリマンタン島、フィリピンなどの山地帯にも産する。蝶としての発生は暖地では普通年3回(6~7月・8月・9月)、北海道あたりの寒冷地では年1回(8~9月)の発生と言われます。越冬は蝶の姿とされています。食草はサルトリイバラ・ホトトギス・オニユリ・ウスバユリなどです。
 我が家の子等は、11月半ばに蛹となったのでそのまま冬越するかと思っていたのですが
この暖かい温度に反応してしまったのでしょう。
 
 今夜はグット冷え込んできました、それでも例年より随分暖かです。気候温暖化で小さな生き物の生活もどんどん変化を余儀なくされている様です。

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2012年10月17日 (水)

クロコノマチョウ

きんもくせいの強い香りが広がっています。幹から直接へばり付く様にして金色の小さな花が咲き当たり一面に香るのです。
それも前触れも気が付かないまま突然に金色の花が付いて香るのです。
此の香りを嗅ぐと猛暑にうんざりしていた夏も過ぎ、そして冬に向って一直線に走っていくような気分に襲われます。

足元ではホトトギスが咲き出しました。何本かはルリタテハに丸坊主にされ花だけというのも在りますが「蝶よ・花よ」ですからそれでもいいのです。

今年は不作の年と見え花が少なかった為か実も少ないのですが柿が色付いてきました。このところ毎日メジロやらヒヨドリやらがやってきて甘そうな実をついばんでいます。数が少ないので今年は小鳥と競争です。

ホトトギスからこげ茶の蝶が飛び立ちました。
クロコノマチョウ♀です。
このチョウも箱根を越えて近年やってきたチョウです。
平成11年1999年12月14日の朝日新聞の記事に「温暖化の使者?南方のチョウ来る」として相模原の高校生が9月と11月に捕獲した事が記事になっています。

古い図鑑(昭和51年1976年発行保育社原色日本蝶類図鑑白水隆監修)では静岡県下が現在土着の北限となっています。
平成18年2006年の日本産蝶類標準図鑑白水隆著では本州に於ける東北限は神奈川、千葉付近と伸びて来ています。
この20~30年は温暖化が著しい事になるのでしょう。南方系の昆虫類がどんどん箱根を越えてきています。

此の蝶も自宅での定点による目視或いは採集ですから各地を渡り歩いての記録ではないので面白い結果が出ています。

採集記録(すべて自宅です)

1998年11月14日
2000年10月1日
2006年10月9、10月25日
2007年10月9日、10月10日、11月5日、12月1日
2008年10月23日
2009年10月18日、10月19日
2010年10月18日
2012年10月16日

最初の採集は新聞少年より古いのですが相模原は湘南地区より少し内陸ですから私の採集日より遅れていてもおかしい事はないでしょう。
採集年の無い年は記録無しですから自宅付近では見かけなかったと言えます。採集の月日が10月に集中しています。春から夏にかけては採集されていないのです。
そのため完全に土着したと言い切る事が出来ないような気もします。
採集した個体は新鮮な痛みの無いものが殆どです。気分的には未確認ですが夏に近所で食草に産卵され羽化したものだろうと判断しています。
食草はススキ、ジュズダマ・アシ・ヒメシバ・アワ・トウモロコシ・メダケなどのイネ科や竹のようですが近所に普通です。
この子の親がこの付近で生まれたのか他所から飛来した漂蝶かはわかりません。

此の蝶の飛び方は「ヒラッ、ヒラッ」と言った感じで翅を閉じては開くようで水平に飛ぶと云うよりは上がったり落ちたりする飛び方で、飛び立っても3、4mほど先ですぐに止まってしまいます。あんまり飛びたくないのでしょうね。
木の間を縫って飛び翅をしっかり立てて止まっている姿は高貴な魔女のような気高さを感じます。

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2012年9月14日 (金)

ナガサキアゲハ

20数年前、高知から海岸線に添って四万十川を遡って宇和島に抜けました。
彼岸花があぜ道を所狭しと燃えるような群落となって真っ盛りの頃です。
その彼岸花にナガサキアゲハが吸蜜に訪れて翅を震わせていました。

真っ赤な花に真っ黒な蝶。
後翅に白斑があって赤い斑紋も鮮やかなナガサキアゲハのメスでした。

四国遍路のお昼時、既に刈り取られた田んぼの畦に座ってこの蝶にみとれながら握り飯をほおばっていたのを思い出します。
其の頃は、この蝶は湘南地方には生息していない蝶でした。
九州、中国、四国が主たる所で紀伊半島も生息域を広げていた時期です。
今から10年ほど前からこの蝶が箱根を越えて北上する記録が頻繁になってきていました。

私の記録では2004年8月23日のこと駅前の不動産屋に飛び込んで出るに出られないで店中を飛び回っている黒い大型の蝶を通りかかりに目にしました。
店に飛び込むや「この蝶はこの辺では珍しいので採らせてください」と窓辺で羽ばたくのを手掴みしました。
羽が痛んでいましたが、ナガサキアゲハのメスです。

ミカンの木に盛んに卵を産み付ける動作を繰り返す蝶が舞っています。
蛹から羽化して何日も経っていない新鮮な美しい大振りなナガサキアゲハのメスです。
どちらかと云うと銀座辺りの玄人筋といった黒革の手帳を思わせる美女を思い浮かべていたりして。
涼しくなって来るだろうから久しぶりに銀座にでも行こうか、など思っています。

今このナガサキアゲハは湘南地方にも定着しています。

夢中で里山を駆け巡っていた頃には図鑑でしか見られなかった憧れの蝶達。
地球温暖化なのか何か大きな変化が地球規模で急速に動き出しているように何種類もの南方の蝶が北上してきています。
不思議と北上組みの方が目に付いて、土着の子等は影を潜めています。ナガサキアゲハも例に漏れず北上すると大型化するようです。

かって鎌倉蝶とまで云われ、北関東の源氏の武将を楽しませたであろう大型のモンキアゲハが東北地方にまで深く北上しています。
そしてここでは里山の開発に生活圏を奪われ、入れ替わりに北上してきたナガサキアゲハと食草は同じなのに希少に感じられます。

標本箱の中に土着のモンキアゲハはたった一頭、一回りも大きなナガサキアゲハが採集年毎にオス・メス14頭も居て殊更に輝いて見えます。

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2012年6月17日 (日)

ウスバアゲハ

子供の頃から「ウスバシロチョウ」として記憶していたものですが、いつの間にか「ウスバアゲハ」が本名で「ウスバシロチョウ」は別名になってしまいました。

昨日からの雨が降り続き未明には屋根を打つ雨音が強くなっていました。起き出すころには、峠を越えたようで、梢に溜まった雨粒が突然一斉に落下してきて驚かされます。

久しぶりに白樺高原を散策する事にしました。雨に洗われた高原は緑一杯に輝いています。佐久から一気に駆け上ります。

「あの辺りに蕨があるはず」「あっあそこ」駆け抜けてしまい、後の車が接近していて停める訳にも行きません。「ぶーぶー」言われながら蕨らしき道端に停車させます。

車から下りると、凄い金属音が響いています。一瞬車のエンジンに異常発生かとヒヤットします。どうやら蛙かセミの声のようです。

長靴に履き替えて完全武装の山菜採りに早や代わりする我妻君。

草原をゆるやかに飛ぶ白い蝶を目で追う私。

北海道から本州、四国の山地に局所的に発生するようで、いつでも何処でも見られる蝶でもないそうです。私の其の目撃や採集の記憶は局所的でした。

遠い昔、奥秩父の山麓で、四国遍路の途中に立ち寄った徳島の剣山で、其の他幾つか。

久しぶりに彼女達に出会いました。懐かしい山々の思い出がフッと蘇ってきます。初めてネットにおさめた時のトキメキを思い出します。

透き通る羽に黒い筋がくっきりと浮かび黒く毛深い体をしています。ゆっくり飛翔し花に止まって吸蜜します。そんな時は指で摘む事もできてしまいます。一旦ネットでかすってしまうと急転して逃げる素早さも懐かしい。

開いてしまった蕨を数本それでも嬉しそうに握っている妻も、蝶を追う私を笑っています。

長門牧場によってソフトクリームを舐めながら、牧場の柵に寄ると白馬が2頭近づいてきて挨拶してきます。クローバーをむしり取って差出と鼻息荒くも上手に受け取ってくれます。

登山靴に履き替えて、スキー場を登ります。ここには蕨が伸び始めていますクルリと蕨手を握って美味しそうです。

ぜんまいのような、そうともいえないのが綿毛に包まれて巻いています。先着の山菜おばさん達の所へのこのこ登って行き「これぜんまいでしょうか」「違うよ、お腹壊すよ」と脅されます。

おばさん達はせっかく採った蕗だの、ウドだのどっさりくれます。そのかわりお話し相手をしばらく付き合っていました。帰りしなに妻が遠くから深々と頭を下げますと皆さん一斉に手を振って居ます。

小さなスズランが群落になって小さな花を咲かせています。

久しぶりにゆっくり高原を楽しみました。

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2012年6月 4日 (月)

アカボシゴマダラ春型

6月の日差しがモミジの葉に柔らかく、小庭を吹き抜ける風にアジサイが揺れています。風に吹かれながら白い蝶が庭を行きつ戻りつしています。柔らかな羽を煽られながら飛び交います。

アカボシゴマダラの春型です。もう季節は夏に向ってひた走りに走っている時期に春型と云うのもおかしな話ですが、アカボシゴマダラは5月半ばから6月半ばまでは春型と夏型が混在するのが珍しくありません。
春型は白い部分が広く大型のモンシロチョウやスジグロシロチョウと思う時もあってゆったりと風に乗るような飛翔にアカボシゴマダラと気付かせてくれます。

固体数が減ったように思うのですが、さすが発祥の地と言われるだけに顕在です。

昨年11月に植えておいたタマネギが丸々と太ってようやく収穫です。今年は寒さが厳しかったのですがその後の暖かさに良く育ち平年並みの収穫期となりました。タマネギを抜きながらひらひらと舞うアカボシゴマダラをつい眼が追ってしまうのです。そう気になる女(ひと)を眼が知らぬ間に追ってしまうあれと一緒です。

家の裏がスポーツ広場になっています。
ボールが民家に飛び込まないようにネットが張られています。
タマネギを駐車場の軒下にぶら下げて置けば何時までも常備野菜の筆頭でいます。無農薬ですから芽が出て来ますが、毎年12月頃までは食べ続けられるのです。
其処まで畑からネットの脇を通りながら両手に幾つものタマネギをぶら下げてトレーニングのつもりで何度も往復するのです。
アカボシゴマダラが飛んでいるのを横目で見ながらタマネギと歩いていました。急に強い風が吹いてアカボシゴマダラがネットに磔になってしまいました。不思議な風でしばらくアカボシゴマダラを磔にしています。
タマネギを放り出して手で掴んでしまいました。もう羽も千切れていて長い春も終りそうです。

明日は「武蔵と柳生新陰流」(2012年5月発行赤羽根龍夫・大介先生)を送っていただいた剣友にお礼に採りたての赤いタマネギと白いのをお届けします。

オニオンスライス、大好物だそうです。

「習いを尽くす目的は練習を重ねて手足の所作が自由になって、心の影響を受けないことであると言っています。そのためには心も自由にならなければならない。そうすれば、自分の心もどこにあるかも分からなくなるので、天の魔物も我が心の隙を見つけることは出来なくなる。修業がここまで至れば極意を得たことになると言います」武蔵と柳生新陰流より

「習いを忘れ心を捨てきって、一向に我も知らずしてかなう所が道の至極なり、習いより入りて習いなきにいたるものなり」(兵法家伝書)

「朝鍛夕錬して、みがきおおせて後、独り自由を得、自ずから奇特を得、通力不思議有る所、これ兵として法をおこなう息」(五輪書火之巻)
「道理を得ては道理を離れ、兵法の道に、おのれと自由ありて、おのれと奇特を得、時にあいてはひょうしを知り、おのずから打ち、おのずからあたる、これみな空の道なり」(五輪書地之巻)

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2012年5月13日 (日)

梅花にルリタテハ

久しぶりに蝶の話しとなります。

紫がかった青黒地に瑠璃色の縦縞の入ったルリタテハです。日本全国に分布しています。敏感で敏捷なので、一般的では無いかもしれません。

インド・ヒマラヤ・シッキム・アッサム・セイロン・ビルマ・中国大陸西南部・インドシナ・マレー半島・スマトラ・ジャワ・ボルネオ・フィリピン北部・台湾・朝鮮半島などの広く分布し日本産は分布の北・東限になるそうです。

今年2012年は春が遅く地方によっては一月は遅れた様に思えます。

山籠もりした信州佐久地方も4月の半ば過ぎから月末に掛けて百花咲き乱れるといったあんばいでした。

少したまってしまったので、4月5月のSDカードを整理している中に、このルリタテハが梅の花に飛来し吸蜜しているスナップがありました。

4月28日長野県佐久市立科の山林です。こんな4月の末の時期に咲く梅の花に見とれていますと、素早い動きで飛来した小型の蝶があります。タテハ蝶の仲間か、シジミ蝶の仲間か、何かわからず、側へ寄れば飛び立ってしまい、じっと待っていますと再び飛来して来たのを写したものです。

口吻を伸ばして吸蜜の姿勢です。羽を半開してそれがルリタテハである事が確認できました。この時期ですから越冬から覚めての吸蜜行動でしょう。大きさは夏型の半分ぐらいですから見た目で直ぐにはわかりませんでした。

このルリタテハの吸蜜行動は樹液や腐敗物、普通花には飛来しないとされ、あせび、モミジイチゴ、オオイヌノフグリ、シモツケ、リョウブ、キブシ、ダイコンなどが報告されていると白水隆先生の日本産蝶類標準図鑑は述べています。どの図鑑も同じような書き振りですから近年の調査であるはずも無く、何処まで信頼出来るか疑問です。

それはともかく、梅花にルリタテは梅の開花が極端に遅かった佐久地方の偶然の事なのか何か得をしたような気分でした。

越冬から覚めたルリタテハが最初に嗅いだ匂いが、遅咲きの梅の花の芳しい匂いであったのでしょう。

白い花に瑠璃色の蝶は良く似合っていました。

我が家の庭の台湾ホトトギスを坊主にして、幾つもの蛹が笹薮の下枝にぶら下がって春を待っていました。妻が枯れたホトトギスを切り払って笹薮を晒し者にしてしまいましたら、忽ち害虫に襲われ全滅した事がありました。ルリタテハは成虫での越冬が主のように図鑑では書かれていますが、蛹での越冬もあって逞しく生きています。

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2010年10月31日 (日)

害蝶(アカボシゴマダラ)

10月30日の朝日新聞朝刊の湘南版にアカボシゴマダラを評して「美しくも害蝶生息は県全域に」と恐ろしげな題で記事にされています。

10年ほど前に藤沢との市境辺りで、誰かが外国から持ち帰り、繁殖させて放蝶したアカボシゴマダラが毎年発生し、10年ほどでかなりの広範囲に土着しつつ有ります。

毎年数頭ずつを採集してきました。すでに大型ドイツ箱に入りきらないほどの数です。

白地に黒の縞模様で後翅の縁に赤い斑紋を連ねた美しい蝶です。

昨年辺りから見かける頭数が減り始め、今年はかなり少なかったように思います。

外来種を「ゲリラ放蝶」しオオムラサキやゴマダラチョウと食樹のエノキを取り合う恐れがあると研究者は心配しているようです。

釣り魚として放魚された外来種のブラックバスやブルーギルのようなと同一視して「害蝶」と被せたようです。

ブラックバスなどは在来の魚を直接捕食してしまいますが、アカボシゴマダラは植樹が同一と云うことでの危惧に成ります。多少意味合いが異なります。

近年、オオムラサキは限られた生息地以外では見られなくなっています。ゴマダラチョウも私の子供の頃は、エノキの上の方で飛び交っていて長尺の捕虫網を手に入れるまで採集出来ず悔しがった事が思い出されます。

両蝶とも、エノキは里山の放置や宅地開発、大木を危険視したり、落葉を嫌っての伐採などで減少しています。

アカボシゴマダラは遠い異国から勝手に連れて来られ、地域の状況も不明のまま放蝶されて「害蝶」呼ばわりは気の毒です。

在来種に全く影響はないとは言いませんが、それよりも植樹を伐採されることの方が蝶にとっては遥かに痛手です。

遠い昔にアカボシゴマダラの一種が奄美諸島に住み着きました。そこだけで生息し本土に生息域を広げられなかった理由があるはずで、今湘南地区に広がったアカボシゴマダラも、きっとその理由で限界点に至るかもしれません。

ここ2年ほどの個体数の減少が気にかかります。

近親相姦の繰り返しに依る、弱体化。

食樹が合わない。

成虫になってからの餌が乏しい(吸蜜行動は私は、熟し柿しか目撃していません)。

寄生虫がこの子達を見つけてしまう。

気候の違いにもかかわらず無理な繁殖。

湖沼や河川に放たれた外来魚より、遥かに悪条件と思われる中で彼等はようやく10年ほど生き繫いできました。

北上する南方系の蝶の幾つかの動向も気にかかります。

それ以上に、このアカボシゴマダラのように、見知らぬ土地に突然放り出されて戸惑いながら生きている可憐な美女が哀れです。

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2010年10月20日 (水)

クロコノマチョウ

今から21年ほど前の朝日新聞湘南版で「温暖化の使者?南方のチョウ来る 高校生が発見」の見出しでクロコノマチョウ2頭の採集が記事となっていました。

外出から帰ってくると庭のアジサイの間から黒いチョウがひらひら飛び出してクチナシの枝に止まっています。

クロコノマチョウの秋型♂。

黒褐色の羽をぴたりと閉じて静止している姿は、木の間隠れの林の貴婦人といった様子です。

昭和51年1975年発行の保育社の原色日本蝶類図鑑では、静岡県下が土着の北限とされています。

其の当時から山形県下で採集の記録はあるようですから、北上の兆しはあったのでしょう。

秋に個体数は多く見かけますが、ここ何年も6月頃から11月頃までよく見かけます。

ススキやジュズダマなどを食草としますので、気候が合えば北上は不思議ではないでしょう。

今年は猛暑の夏の影響からか蝶の発生はかなり少なく感じています。

秋になってからも固体数は少なく、捕虫網を持って里山周辺でチョウ道に待っていても「坊主」のことが多かったと思います。

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2010年8月29日 (日)

アカボシゴマダラ

猛暑続きですが吹く風に、名残の蝉時雨に秋の気配を感じます。

春に切り倒されて地上1mほど残されたエノキ?から小枝が出て柔らかそうな葉が付いています。

其の周辺をアカボシゴマダラが行ったり来たりしています。時折吹く風にながされて戻ります。

5月末春型を見てから久しぶりです。

羽の状況から何日か前に羽化したと思われますが全く痛みはありません。

葉裏に卵を産み付けるようなしぐさをするのですが卵は見えません。

この辺(場所は伏せます)で代を繰り返しもうかれこれ10年になろうかと思います。

9月に熟し柿に多数乱舞していた5、6年前から比較しますと数も減ったようです。

其の反面、処々で目撃しますから、相変らず生活圏を広げているのでしょう。

古い図鑑に依ると奄美諸島の奄美大島、加計呂麻島に分布し外国では中国大陸・旧満州・チベット・朝鮮半島・台湾に分布と大雑把です。

誰かが、中国のどこぞから卵か成虫を持ち込んでこの辺に放したようなうわさも聞きましたが定かではありません。

オオムラサキ、ゴマダラチョウ、アサギマダラなどが殆ど見られなくなって、この素性の知れないアカボシゴマダラは元気に代を繰り返しています。

何れにしても近親相姦を繰り返していますので、どのような結末になるのでしょうか。

昆虫類の移動増殖は哺乳類とは異なり、特別な遺伝子構造を持つのかも知れません。

それよりも、自然環境での食草が持つのか気になります。

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