曽田本その2を読むの4

2014年8月30日 (土)

曽田本その2を読むの4終りに

曽田本その2を読むの4終りに

曽田本その2は曽田先生が覚書としてメモ書きされた自筆の和綴じ本です。
恐らく何かに書き付けたものを何時か出版しようかと清書され、更にそれにメモ書きを加えて有ります。
残念ながら、出典や覚書した日時などの事がありませんので、始めはご自分の為の覚書だったのでしょう。

和綴じされた表紙には「大森流長谷川流居合術解」と題され、「故行宗貞義先生門人旧姓土居事 無双直伝英信流下村派第十六代筆山曽田虎彦 記」と書かれています。

このブログでの曽田先生の覚書のご紹介は以下の通りです。

曽田本その2の原本を原文読み下したもの
平成24年2012年4月10日~平成24年2012年5月30日まで、50回。

曽田本その2付随の曽田先生が集められた新聞・雑誌のスクラップ
平成24年2012年5月31日~平成24年2012年7月7日まで、38回。

曽田本その2を読む
平成26年12014年3月3日~平成26年2014年8月29日まで、180回。

この曽田本その2を手にされ、公開された先生は知る限りでは以下の様です。

河野百錬先生 昭和29年1954年発行「無双直伝英信流居合兵法叢書」
是は曽田本その1を全て原文のまま書かれています。古伝神傳流秘書、居合兵法極意秘訣などです。
曽田本その2は居合兵法伝統系譜、谷村樵夫先生から曽田先生の実兄小藤亀江に授与した根元之巻、大江先生から鈴江吉重に授与された根元之巻、行宗先生から中村虎猪に授与された中伝の写しなどが掲載されています。
「無双直伝英信流居合兵法叢書」は曽田先生との交流によって送られた曽田本その1、その2を公開したもので、「此の目録は昭和23年6月?大阪河野稔氏へ伝授したり」と英信流目録の項に有ります。
戦前から交流され、伝書の写しは送られていたのでしょう。
河野先生は自分が書いたものでは無いので、書き写しただけと云ってそれ以上の事はされていません。

この「無双直伝英信流居合兵法叢書」は曽田先生の没後(昭和25年1月)の昭和29年に初版が発行され昭和38年に再版されていますが、非売品でもあり、原文の儘ですから埋もれてしまった様です。
河野先生の系統の無双直伝英信流正統会の先生方ですらこの冊子の存在をご存じないのは残念です。

河野先生以外でこの曽田本その2を取り上げられているのは岩田憲一先生でその著「土佐の英信流旦慕芥考」で平成元年1989年発行です。
此処には、曽田本その2の無双直伝英信流居合術系譜、霊夢、行宗貞義先生記録写、そして曽田先生の集められた新聞、雑誌、その他のスクラップが乗せられています。

曽田先生の息子さんから「私は居合をやらないから君が持っていてくれ」と預けられた曽田本その1、曽田本その2がコピーされ岩田先生に渡ったのです。
土佐の英信流旦慕芥考のあとがきに「下村派第十六代曽田虎彦先生の遺書を提供下さった関係各位にも、厚く感謝の意を表する次第である」と、書かれています。

そんな曽田先生の遺書が「何故お前に?」と云うのも何かの巡り会わせでしょう。
「大田次吉先生伝」を平成23年に出版された先生が、私のブログをお読みになられ、「曽田先生の直筆メモがあるが読むか」と手渡され、曽田先生の居合に籠めた情熱を公開させていただいたわけです。

ブログは、世界中の誰でもに公開されているものです。
居合を業ずる大家は勿論のこと、昨日始めた方にも公開されています。
この曽田本の公開で多くの無双直伝英信流や夢想神傳流を学ぶ方々が古伝を知ることが出来るだろうと思います。
そして個人的には多くの剣友に巡り合えました。曽田先生の御孫さんとも交信でき曽田先生の事をお聞きする事も叶いました。

何事も疑いの目で見、あら捜しをする人はいるものです。この曽田本についてもその様に思われる人もおられるかも知れません。
神傳流秘書も偽の伝書の様に云う人も居ます。

素直に読んでみますと、良く研究された内容になっています。宮本武蔵の五輪書や柳生但馬の兵法家伝書の様に洗練されたものではありませんが武術書としては充分です。
しかし、曽田先生も大変真面目な思いで原本を写されたと思います。まやかしではとても纏められない内容です。
読まず習わずでは寂しい居合人生でしょう。

曽田本その2を読むを終ります。

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2014年8月29日 (金)

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合十二本目

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合十二本目

意義
前進中敵先に抜打をなし敵の之に応ずるを切返し倒す也

動作

第1.右足より前進二歩目左足にて刀を抜き三歩目に敵の正面を切る

第2.切返しなす二本目第4.動に同じ
(二本目第4.両手で刀刃を上にし刀刃を以て敵の刀を払流し(此の時刀尖は其の位置にて左拳を刀尖よりやゝ上ぐ)同時に左手を中心に右肩より冠りつゝ左足を左前に踏み右足を左足の後に引き敵の右肩より八相に切り下ぐ。)

第3.納刀

以上

*曽田先生の神道無念流立居合十二本はこれで御終いです。
この手附は抜けだらけです。
前進中正面から歩み寄る敵が先に抜き打ってきます。
敵の抜き打ちは、神道無念流の切上げでしょうか、無双直伝英信流の横一線の抜き付けでしょうか、それとも上に抜上げて真向に切り下して来るのでしょうか。
「前進中敵先に抜き打つをなし」ですからとにかく抜き打ちです。

我れ前進中、敵正面から歩み寄り抜打ちに真向から打込んで来る。我之を右足を踏み出し鯉口を切り、左足を踏み出し刀を物打ちまで抜出し、刀刃を返して敵の抜き打って来る右肘を下から喉元迄斬り上げる。
敵、左足、右足と追い足で退く処、我れ、刀刃を上にしたまま、左手を切先より高く柄を持ち、敵の喉元を突かんと構える。
敵、右足を踏込み真向に打込んで来るを、左手を上げて払流し、同時に左足を左前に踏込み刀を右肩より上段に冠り右足を左足の後方に摺り込むや敵の右肩に八相に打ち下し勝。

左足を右足に引き付け同時に刀を左肩に担ぐように切先を上にして取り、左手拇指と食指で刀の鎺辺りを挟み他の指で鯉口を握り、右手を逆手に持ち替える。
左足を一歩退くと同時に右手を以て刀身を前下方に引き切先を鯉口に持ち来たり、右足を左足に引きつゝ刀身を静かに鞘に納める。

敵の抜き打ちに対しては、全て切上で応ずるのも良いでしょう。
敵の前肘の位置を予測して、後の先で応じてみました。
この討ち込まんとする敵の右肘を抜き打つのは相手に籠手を着けてもらい模擬刀で抜き打つ稽古で学んでいます。
切上げんとする処、敵後方に引いたので敵の喉元に切先を付けて、其の儘付け入ってみました。

是で神道無念流立居合は終わります。
切上げの連続でした、そして独特の受け払いこの二つを楽しみました。この立居合は神道無念流中山博道先生の有信館で行われていたものとは合致しませんでした。

お前の動作は神道無念流では無いと言われても、曽田先生の手附に応じた独創もありうるでしょう。未熟者が真似ればこの程度でした。
それよりも、曽田先生が覚書にされたこの手附がどこで行われていたのか知りたいものです。

無双直伝英信流でも、大江先生の居合が今日の居合に変化して居る事を考えれば、直の師伝すら其の儘真似しきれないものと知るべきなのでしょう。

敵は据え物ではありません、生きていて我を倒さんと攻撃してくるものです。
他流の手附で勉強して見るのもいいものです。

以上で曽田先生のメモに依る神道無念流の居合を終ります。

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2014年8月28日 (木)

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合十一本目

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合十一本目

意義
大体十本目に同じなるも、敵退却せず我却って敵に追い詰められ後退しつゝ敵を切り倒す也
但し最初停まって居るにあらず前進中敵に出会たるものとす。

動作

第1.右足より前進中右足の地につくや僅かに後退して抜刀
(一本目第1.動に同じ)
(一本目第1.右足より前進し2歩目左足にて柄を握り3歩目右足を出すと同時に抜刀(此の時左手で鞘を前方に出す気持を加え後方に振り上げ上体を左斜めにして十字形をなし左足は右足につれ前方に送り左足先を右踵に接する如くする)敵の右前肘を下より切り上ぐ。)

第2.一本目第2.第3.動におなじであるが右足より後退しつゝ行くのが異て居る
(一本目第2.次に右手を左肩より振り冠り左手を添え右足を一歩引き敵の正面を切る。)

第3.右同
(一本目第3.更に右足一歩進め真向より切る。)

第4.十本目第4.第5.動に同じ
(第十本目第4.次に上段にて残心を示し)

第5.右同
(第十本目第5.青眼に直り納刀)

*この十一本目は省略が多すぎます。
形を演ずるには、形を覚えてしまえば「同じ」で済むのですが、初めての稽古ではそうもいきません。

前進中正面から敵、抜刀せんと詰め寄る処機先を制して右足を踏込み抜き付けんとするが敵の詰める気勢に踏み出した右足を僅かに退いて斬り上げるも不充分。

敵抜刀して其の儘詰め寄って来るので右足を引きつつ右手を左肩より振り冠り、左足を引くや敵の真向に切り下す。

更に敵詰め寄って来るので、上段に振り冠り右足を引くや敵の真向に切り下し、十分と見てその足踏みの儘上段に構え残心を示す。
青眼に直り、左足を右足に引き付け、切先を上げて刀を左肩に担ぐように持ち来たり、右手を逆手に取り、左足を後方に引くや右手を前下に引いて切先鯉口に至れば右足を左足に引き付け静かに納刀す。

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2014年8月27日 (水)

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合十本目

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合十本目

意義
敵に接し居る時敵刀を抜かんとするに対し動作するも敵退きたるにより之を追詰めて切り倒すなり

第1.右足を踏みだすと同時に抜刀敵の左前を切る一本目第1.動同じ
(一本目第1.動:右足より前進し2歩目左足にて柄を握り3歩目右足を出すと同時に抜刀(此の時左手で鞘を前方に出す気持を加え後方に振り上げ上体を左斜めにして十字形をなし左足は右足につれ前方に送り左足先を右踵に接する如くする)敵の右前肘を下より切り上ぐ。)

第2.左足より二歩進み正面を切る

第3.次に青眼のまゝ突き付けながら二歩進む

第4.次に上段にて残心を示し

第5.青眼に直り納刀

納刀(刀の納め方
1.前の足を後足に引き付けると同時に刀を左肩に担ぐ如く持ち来たり左手は鯉口を持ち鞘を正しくす。
2.左手の拇指と食指とにて「はばき(鎺)」の近くを挟み右手の拇指は縁頭の近くを其の他の指は下より鍔及び柄を持つ。
3.左足を後方に一歩引くと同時に右手を以て刀身を前下に引き刀尖を鯉口の処に持ち来る。
4.右足を左足に引きつゝ刀身を鞘に納める。

*敵と間境に接し居る時、敵刀を抜かんと右手を柄に掛ける処、我は右足を踏込み刀刃を返し敵の抜かんとする右前肘に斬り上げるも、敵、右足を後方に引いて間を外しす。

我れ透かさず、外されて切り上げた切先を天に向けるや上段に構え左足、右足と附け入って敵の真向に切り下す。

敵、後方に倒れるを、我れ青眼に構え敵に突きつけ乍ら左足、右足と進み、

その足踏みのまま上段に振り冠り残心を示す

右足を左足に引き付けつつ刀を左肩に担ぐようにし、右手を逆手に持ち替え、左足を引くと同時に、右手を下前に引き切先を鯉口に取るや、右足を左足に引き付け静かに納刀する。

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2014年8月26日 (火)

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合九本目

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合九本目

意義
敵の抜かんとする前肘を切るも(一本目に同じ)敵之を弛し我胴を切り来るに対し体を変し切り倒す也

動作

第1.一本目第1.動に同じ
(一本目第1.右足より前進し2歩目左足にて柄を握り3歩目右足を出すと同時に抜刀(此の時左手で鞘を前方に出す気持を加え後方に振り上げ上体を左斜めにして十字形をなし左足は右足につれ前方に送り左足先を右踵に接する如くする)敵の右前肘を下より切り上ぐ。)

第2.上段のまま右足より2歩退き次に鎬を以て敵刀を下方に押へ敵我胴を切り来るを防ぐ如く刀を体の右前下方に持ち来る。此の時右足を左足に引きつく

第3.次に青眼に直りつゝ少し前進す此の時左足は右足につく如く送り敵を襲う気持ちなり

第4.次に切り返しをなす二本目第4.動に同じ
(二本目第4.両手で刀刃を上にし刀刃を以て敵の刀を払流し(此の時刀尖は其の位置にて左拳を刀尖よりやゝ上ぐ)同時に左手を中心に右肩より冠りつゝ左足を左前に踏み右足を左足の後に引き敵の右肩より八相に切り下ぐ。)

第5.納刀

*この立居合は之だけ十分に稽古すると相当、曽田先生の神道無念流の運剣動作を学べそうな気がします。

敵が刀を抜こうと正面より間境を越えんとする時、右足を踏み込んで左足を送り足に摺り込み、その抜かんとする敵の右前肘に切上に抜付けるも敵右足を引いて之を外す。

我れは空を切って切先を天に向け、右足、左足と引き上段に構える。
敵は間を積めながら右足を出しつつ刀を抜出す。
我は上段から下して敵刀を裏鎬を以て押さえる様にし、敵、我が胴を斬り払わんとするのを防ぐように、我が体の右前下に刀を下げつつ右足を後方の左足に引き付ける。

次に我は、刀を青眼に直しつゝ右足を少し前進させ左足も連れ足とし、隙あらば襲う気持ちを表す。

青眼構えから徐々に刀刃を上に向け、左手を切先より稍高くして敵喉元を突く如く構える。
敵、真向に打込んで来るところ、左手を上げて敵刀を刃を以て払い流し、同時に左足を左前に踏込み右足を左足の後方に摺り込むや右から刀を振り冠り、払い流されて前のめりになる敵の右肩に八相に切り下す。

この辺の動作は、居合と云うより抜刀後の剣術でしょう。

相手を意識しない一方的な空間刀法慣れした居合剣士には良い稽古業です。

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2014年8月25日 (月)

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合八本目

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合八本目

意義
勉めて敵に接して抜打するも敵後退するにより追詰めて切倒す也

動作

第1.其場にて抜刀右足一歩出し正面を切る。

第2.左足より二歩進んで切る。

第3.二本目第4動の如く切り返し
(二本目第4.動:両手で刀刃を上にし刀刃を以て敵の刀を払流し(此の時刀尖は其の位置にて左拳を刀尖よりやゝ上ぐ)同時に左手を中心に右肩より冠りつゝ左足を左前に踏み右足を左足の後に引き敵の右肩より八相に切り下ぐ。)

第4.納刀

*意義から見ると敵は前方に一人でしょう。
真向に振り冠って切り込み来るを、左足で間を越し右足を踏み込んで抜き打つ。此の抜き打ちは横一線の抜き付けか下からの切上げか指定されていません。英信流の剣士は横一線を瞬時に意識するでしょう。ここも下から敵右前肘を切り上げてみます。

敵、一瞬の間に右足を引いてこれを外し、後退するを、我れ左足を右足に引き付け上段となり、右足を踏み込んで切り下す。

敵、更に左足、右足と引いて後退するを、我左足、右足と二歩進んで上段より切下す。

敵、更に後退し振り冠る処、敵の喉元に切先を付け中段に構え刃を上向きに返し左手をやや切先より高くし、喉元を突かんと構える。

敵、真向に打ち下して来る処、我れ左手を上げて敵刀を右に払い流すや右肩より振り冠りつつ左足を左前に踏込み右足を左足の後方に摺り込んで敵の右肩より八相に切り下し勝。

左足を右足に引き付け同時に刀を左肩に担ぐように切先を上にして取り、左手で鯉口を握り、刀の鎺付近を左手拇指及び食指で挟み、右手を逆手に持ち替え右足を後方に引くと同時に柄を下前に引き切先鯉口に至るや左足を右足に踏み揃え同時に静かに納刀する。

*第1.動の抜き打ちも、切上げの連続にすると、さすが神道無念流ですが、横一線の英信流の抜き付けも有効です。
右足を踏込み抜き付けるや左足を追い足に詰める事を英信流の剣士は学んでおきませんとこの業は難しいでしょう。
第3.動の刀刃を上にして敵刀を払流す刀法は「突くぞと云う気構えで攻める事、相手に打込ませて払い流す後の先の勝ち口を身に着け、敵刀を流すや筋を替って反撃するところです。

英信流ならば一刀目の抜打ちが命ですが、神道無念流は立居合ではありますが、抜刀が全てでは無い処にポイントがありそうです。

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2014年8月24日 (日)

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合七本目

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合七本目

意義
前方右方の敵に対する動作(六本目に同じ)

動作
六本目と替ることなし左方と右方との異なるのみ

*簡単に七本目は六本目と同じで六本目が正面と左方の敵に応じるもの、七本目は正面と右方の敵に応じるものというものです。

実際に六本目を演じて七本目を演じるのは容易です。
然し動作を書きこむのは細部が異なるので一苦労です。

六本目の手附を基に七本目の手附を創作します。

意義
前方右方の敵に対するも右方の敵最初我に近寄り過ぎた為めに進出して切ること能わず従て其場に於いて切り次いで敵後ろに倒るゝを以て其の儘進んで残心を示す

動作

第1.一本目第1.動に同じ
(一本目第1.動 右足より前進し二歩目左足にて柄を握り三歩目右足を出すと同時に抜刀(此の時左手で鞘を前方に出す気持ちを加え後方に振り上げ上体を左斜めにして十字形をなし左足は右足につれ前方に送り左足先を右踵に接する如くする)敵の右前肘を下より切り上ぐ。)

第2.左足を軸として右向きとなり右正面を切る。

第3.次に左足を右足に揃え上段となり左足にて切る。

第4.次に中段の儘右足より二歩進む。

第5.上段の残心を示し

第6.青眼に直り納刀。

*第1.動は右足を出し鯉口を左手で切り、左足を出して右手を柄に掛け刀を物打ちまで抜出し鞘手を返して刃を下に向けるや、右足を踏込み、切り込み来たる前敵の右前肘を下から切り上げ左足を追い足で右踵に引き付ける。

第2.左足を軸とし右に振り向き上段となるやその足踏みのまま右敵の真向に切り付ける。

第3.右敵切り込まれるが不十分で後退するを追って左足を右足に揃え上段となるや左足を踏み込んで引き下がる右敵の真向に切り下す。

第4.右敵切り倒され後ろに倒れる処、刀を中段に構え右足、左足と二歩進み

第5.その足踏みの儘、上段に構え残心を示す。

第6.上段の構えを青眼(中段との違いは不明)に直し、左足を後ろ足の右足に引き付けると同時に刀を左肩に担ぎ、左手は鯉口を持ち刀の鎺近くを左手拇指と食指で挟み、右手は逆手に持ち替え拇指を柄頭に向け他の指は柄下より鍔を持ち、右足を後方に一歩引くと同時に右手を以て刀身を前下に引き刀尖を鯉口に持ち来たるや、左足を右足に引きつつ納刀する。

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2014年8月23日 (土)

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合六本目

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流六本目

意義
前方左方の敵に対するも左方の敵、最初我に近寄り過ぎた為めに進出して切ること能わず、従て其場に於いて切り、次で敵後ろに倒るゝを以て其儘進んで残心を示す。

動作

第1.一本目第1.動に同じ。
(一本目第1.動 右足より前進し二歩目左足にて柄を握り三歩目右足を出すと同時に抜刀(此の時左手で鞘を前方に出す気持ちを加え後方に振り上げ上体を左斜めにして十字形をなし左足は右足につれ前方に送り左足先を右踵に接する如くする)敵の右前肘を下より切り上ぐ。

第2.右足を軸として左向きとなり左正面を切る。

第3.次に右足を左足に揃え上段となり右足にて切る。

第4.次に中段の儘左足より二歩進む。

第5.上段の残心を示し

第6.青眼に直り納刀。

*敵を正面と左方に受けての攻防です。
正面の敵が切り込んで来るので、右足より前進し、左足出る時右手を柄に掛け、右足を踏み込んで前敵の右前肘を下から切上げ右足に左足を引き付ける。

右足を軸に左方の敵に左廻りに振り向くが、左方の敵が近寄り過ぎたために、踏み込んで切るには間が近すぎる、其の儘の足踏みで左敵の正面に斬り下す。

左方の敵切られて後退するのを、右足を左足に踏み揃え上段に構え、右足を踏み込んで後退する左方の敵を再び切り下す。

敵、倒れる処、斬り下した中段の儘、左足、右足と進み上段に構え残心を示し、その足踏みの儘、青眼に直り右足を後ろ足の左足に引き付けると同時に刀を左肩に担ぎ、左手は鯉口を持ち刀の鎺近くを左手拇指と食指で挟み、右手は逆手に持ち替え拇指を柄頭に向け他の指は柄下より鍔を持ち、左足を後方に一歩引くと同時に右手を以て刀身を前下に引き刀尖を鯉口に持ち来たるや、右足を左足に引きつつ納刀する。

第2.動、第3.動と左方の敵は二度切り下す様に手附は有りますが、意義は左方の敵は踏み込まずに真向に切り下して倒している様に思えます。
左方の敵への第一刀が浅く、第二刀で倒すと考えられるとも云えます。

神道無念流の切上がここでも用いられています。一本目・三本目・五本目・六本目とすでに四本もあります。あと七本目・九本目・十本目・十一本目とありますから十二本中八本が切上げから始まるのです。

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2014年8月22日 (金)

曽田本その2をよむの4曽田メモの8神道無念流居合五本目

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合五本目

意義
前右左の敵に対する動作なり。

動作

第1.一本目1動に同じ。
(右足より前進し二歩目左足にて柄を握り三歩目右足を出すと同時に抜刀(此の時左手で鞘を前方に出す気持ちを加え後方に振り上げ上体を左斜めにして十字形をなし左足は右足につれ前方に送り左足先を右踵に接する如くする)敵の右前肘を下より切り上ぐ。

第2.左足を軸とし右の敵の正面を切る。

第3.左足を軸とし廻し左をなして右足を一歩出して左の敵の正面を切る納刀。

*前進中我が前、右、左に敵を受け、右足を出し鯉口を握り、左足を出す時右手を柄に掛け、鞘を前に送りつつ刃を上にして抜きかけ、右足を踏込むと同時に左手で鞘を後方に振り上げる様に引き上体を左斜めにして鞘を返すや敵の右前肘に抜付け切先を上方に斬り上げ左足を右足に引き付ける。

右敵に顔を向けるや、左足を軸に右に振り向き右肩上で刀を返し左手を柄にかけるや上段となり右足を踏み込んで右敵の真向に切り下す。第2.では右足を踏込むとは書かれていませんが、第1.で右足に左足が引き付けられていますから、此処は右足を右の敵に踏込む間が近ければ右足を踏み立てる位はやりたいところです。

次に、左足を軸に、左廻りに左敵に振り向きつつ右肩覆う様に刀を上段に振り冠って、右足を踏込み左敵の真向に切り下し、納刀。
この第3.では「左足を軸とし廻し左をなして・・」の文言の意味はわかりません。ご指導を願います。

*神道無念流お得意の切上が出ます。ここはやはり前敵の右前肘を切上げたならば、余勢を以て切先を上に振り上げ即座に右に返して上段となり右敵の真向に切り下すのが良いようです。

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2014年8月21日 (木)

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合四本目

曽田本その2を読むの4曽田メモの8神道無念流居合四本目

意義
前進中敵後より来り鐺を取られ続いて前方よりも敵切り掛り来るのに対する動作なり。

第1.右足より前進中左足にて上体を前に懸け右手にて刀柄を下より握り(此の握り方は拇指は上方に其他の指は下方にす)腰を左方に廻し刀を抜く。

第2.上体を其の儘とし左上膊の左側に刀刃を左斜上方にして後方の敵を刺す・

第3.柄に左手を添え刀刃上方に刀尖を前方に向け踏み出して前方の敵を刺す、左足を送る也。

第4.右足を後方に引くと同時に刀を右脇に刀身を水平にして後方の敵を刺す。

第5.柄を持ち替え右足を一歩出して正面を切る。

第6.左足を軸とし左に廻り右足より一歩進み後方の敵の正面を切り納刀。

*我れ前進中後より歩み来る敵我が刀の鐺を取り来る、我左手で鯉口を握り右手で逆手に柄を握り左足を踏み出し、上体を前懸りにして刃を上向きに刀を抜き出し、顔を後方の敵に向け、左腰を左に捻って切先鯉口を出るや、左上膊部に刀刃を斜め外向けて接し上体を起しつつ後方の敵の胸を刺突する。後方の敵刺突されて後方に一歩後退する。

続いて前方の敵上段に振り冠って切り掛らんとするを、顔を正面に向き直り、左手を柄に掛け、右手を緩め刀刃を下に向け切先を下から突き上げる様に刀刃を上向け切先を正面に向けるや右足を踏み込み、左足を追い足に、正面の敵の胸から喉元を刺突する。

次に後方の敵、上段に振り冠って反撃する処、右足を後方に引くと同時に刀を右脇に刀身を水平に刃を外に向け右脇に接るや後方の敵の腹部を刺突する。

右脇から柄を順手に持ち替え上段に振り冠って右足を踏み込んで前敵の真向に切り下し、左足を軸に左廻りに後方に振り向き右から上段に振り冠って右足より一歩進み後方の敵の真向に切り下す。

*曽田先生の手附で演じてみました。問題は第3の動作の、「柄に左手を添え、刀刃を上方に」の手の内の操作は、少々稽古が必要です。
右手の逆手は第5の「柄を持ち替え」に拘ってみました。

逆手に抜刀するのは、中山博道剣道口述集の立居合にもあるのですが、この4本目とは異なります(初伝9本目にあり)。

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