曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流3大小立詰

2017年3月28日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流3大小立詰7電光石火

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
3、重信流
3)大小立詰
七本目電光石火
電光石火
 如前後より来り組付を躰を下り相手の右の手をとり前二倒春
 以上七本
読み
電光石火(でんこうせっか)
 前の如く 後ろより来たり組付くを 体を下り 相手の右の手をとり 前に倒す
 以上七本
読み解く
 後ろから組付かれた時は、電光石火に体を沈めて相手の右手を取って前に投げる。一本背負いを彷彿とさせます。
 後ろから羽交い絞めにされたので、相手の右手をそのままでは取れそうもない場合は、体を沈めて相手の手が緩んだ処を一本背負いでしょう。

 曽田先生による五藤先生の業附口伝大小立詰を探してみましたが、同名の業が見当たりません。
 業附口伝では大小立詰七本目は「移り」(伝書になし口伝)
「敵後より組付きたるを我体を落して前に投る也(後ろより組付躰を下り前へ投げる)」


 業附口伝の大小立詰の業名は「移り」になっていますが手附はほぼ同様です。ここでは、あえて右手に拘らず体を落として前へ投げる。
 これらの業は業では無いので変化極まりなし、よりよい方法、状況に応じた瞬時の判断を研究すべきでしょう。形に拘っても技はかからないのです。

 以上七本で大小立詰は終わります。
此処も相手は小太刀、我は太刀を帯して行います。この大小立詰は余り見る機会が有りません。
 之だと言う「かたち」の伝統が師伝として有るのか無いのか失伝してしまった業でしょう。手附に従ってあーだこーだと研究して一つ業に三つ四つ違った技を繰り出していただければ愉快です。
 技を懸けるに当たり、体などの専門的名人が繰り出す妙技を取り入れるべきものでは無いでしょう。ごく自然で容易であって有効な方法が当然ベターと思います。

 以上七本、袖摺返・骨防返・鍔打返・〆捕・蜻蛉返・乱曲・電光石火で重信流の大小立詰を終わります。

 

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2017年3月26日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流3大小立詰6乱曲

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
7、重信流
3)大小立詰
六本目乱曲
乱曲
 如前後より来り鐺を取り頻り二ねぢ廻し刀を抜かさじと春る時後へ見返り左の手か右の手尓て取たるかを見定め相手左の手ならば我も左尓て鯉口を押へ相手右ならば我も右にて取る後へ引付んと春るを幸しさり中二入り倒春
読み
乱曲(らんきょく)
 前の如く後ろより来たり 鐺を取り頻りにねじ回し 刀を抜かさじとする時 後へ見返り 左の手か右の手にて取りたるかを見定め 相手左の手ならば我も左にて鯉口を押え 相手右ならば我も右にて取る 後へ引き付けんとするを幸い しさり中に入り倒す
読み解く
 前の蜻蛉返の様に相手後ろより歩み来たり我が鐺を取る。蜻蛉返しの場合は相手は「我が右の手を取り刀の鐺を取り背中に押付られたる時」でした。
 乱曲は、我が鐺を左手か右手で取ってねじ廻し抜かせない様にするのです。其の時我は後ろを振り返って相手が左手で取っていれば我も左手で鯉口を押える。
 相手が右手で鐺を取れば右半身になっているでしょうから、我は左半身になるとでも思えばいいのでしょう。
 「相手右ならば我も右にて取る」ですが、我は右手で何処を取ればいいのでしょう。左手は鯉口を握るのが常識でしたら右手は柄でしょう。文章からは鯉口を右手で取るとも読めます。
 相手後ろへ引かんとするを幸いに、我も後ろへ付入って下がり相手の懐に入るようにして足を掬うなりして倒す。

 ここも曽田先生による五藤先生の業附口伝を参考にしてみます。大小立詰六本目乱曲
 「前後に立ちて行く也敵後より鐺を取りくるくる廻し引く也我其の時すぐに後向きて左右何れなるやを見合せ右手なる時は我左足にて敵の右足を又左手なる時は我右足にて敵の左足を掬い中に入る也
(後ろより鐺を取りくるくる廻し引其時左右を見合せ中に入る)」


 古傳神傳流秘書を少し詳しくしているようですが、左右の手の何れかによって足払いの仕方を変えるようにしています。
 古伝の鯉口を握る手を左ならば左手、右ならば右手の事は無くなり、相手右手ならば我が左足にて相手の右足、相手左手ならば我が右足で相手の左足を払うになっています。何れも相手の状況に応じた体捌きについての教示です。

 相手がどちらの手で我が鐺を取るか、その時どちらの足が前に在るか、相手が下がる時はどちらの足が前になるか、申し合わせなどは意味の無い事です。 

 この乱曲と前の蜻蛉返の様に、英信流の瀧落も鐺を取られています。英信流之事の瀧落では鐺を取られ後ろを振り向き、右手か左手かを現代居合は確かめていますがその違いは何も示されていません。蜻蛉返や乱曲と瀧落を状況次第に遣い込む稽古などにより、居合が生きた武道になるだろうと思います。

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2017年3月24日 (金)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流3大小立詰5蜻蛉返

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
7、重信流
3)大小立詰
五本目蜻蛉返
蜻蛉返
 相手後より来り我が右の手を取り刀の鐺を取り背中に押付られたる時其儘後へしさり中に入利倒春

読み
蜻蛉返(とんぼかえし)
 相手後ろより来たり 我が右の手を取り 刀の鐺を取り背中に押し付けられたる時 そのまま後ろへしさり中に入り倒す
読み解く
 蜻蛉はトンボです。蜻蛉返ですからバック転と思う処ですが、反転するぐらいでしょう。
 相手後から来て我が右手を右手で取り刀の鐺を左手で取って背中に押付けて来る、其の時その体勢の儘、後づさりして相手に密着するや体を低めて投げ倒す。さて前に倒すか後ろに倒すか、状況次第ではどちらでも出来そうです。
 倒すにあたっては、相手に密着して足技を併用するなり工夫次第でしょう。

 曽田先生に依る五藤先生の業附口伝を参考にして見ます。大小立詰五本目蜻蜓返
「打は仕の後より仕の右手首を後に引き鐺を前に押す直ちに右足を以て掬い中に入る也鐺を後に引き右手首を前に押す時は左足を以て中に入る也
(後ろより右の手首をおさへ跡へ引左手鐺をおさへ前へおす時中に入る)」

*五藤先生は蜻蛉を蜻蜓の文字を使っています。
 小内刈を掛ける様です。小外刈もいいかななど、相手の動作に合わせて右廻り、左廻りと応じるのでしょう。五藤先生は( )の方法で古伝に合わせています。

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2017年3月22日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流3大小立詰4〆捕

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
7、重信流
3)大小立詰
四本目〆捕
〆捕
 相懸り二両方より懸る時相手両手尓て我刀の柄を留我左の手尓て相手の脇つ保へ入れて両手を〆引上如何様尓も投る也
読み
〆捕(しめとり、しめほ)
 相懸かりに 両方より懸かる時 相手両手にて我が刀の柄を留める 我れ左の手にて相手の脇坪へ入れて 両手を締め 引上げ如何様にも投げる也

*
読み解く
 双方相懸りに歩み寄る時、相手我が柄を両手で押さえて抜かさない様に制して来る。我は左手で相手の脇坪に入れて、相手の両手を抱きかかえ締め上げて左足を退くや体を沈め左脇に投げ倒す。如何様にも投げると言いますから右脇へ投げるのもありでしょう。

 此の場合は、我は柄に手を懸けている、或はいない、特に指定されていません。
三本目の鍔留が柄に手を掛けた処其の手を留められていますから、ここは柄に手を懸ける前に相手に柄を制せられるとするのでしょう。

 「両手を〆上げ」は相手の両腕の肘のかがみを裏から抱く様に締め上げるのか、手首を取って締め上げるのか、これも特に指定されていません。

 又、右手の動作を特定して居ません。柄を握っている処相手に右手を制されて柄を留められるとも解せます。

 曽田先生による五藤先生の業附口伝大小立詰では〆捕は一本目になっています。
「互に対立する也打は両手にて仕の柄を握るを仕は左手を以て打の左手首を握る也更に此の時直ぐに仕は右手にて打の両腕を絞め込み我が体を台にして之れを極める也
(敵両手にて柄を取る左手にて敵の左の手首を抑え右手にて敵の両肱を押え体を込み〆付ける)」


 第九代の林六太夫守政の時代から100年程後の業手附が五藤先生のものでしょう。
 古伝は、相手の脇坪に左手で入れて締め込んでいます、此処では相手の左手を左手で押えて後に、相手の両肱を右手を巻き込んで締め込んでいます。
 其れでなければならないと言う事ではないと思いますが先ず指示された通りと云うのが稽古の筋でしょう。古伝は抜けだらけです。それだけ自由ですが業附口伝では業違いともなります。


 現代居合では失伝してしまった大小立詰などの古伝を政岡先生は神傳流秘書を元にその著「無双直伝英信流居合兵法地之巻」で復元されておられます。
 大小立詰の〆捕の業の順番が神傳流秘書と異なり、この〆捕は一本目にセットされています。業手附は神傳流秘書の通りです。

 この違いは其の出典が何処から出たものか判りません。政岡先生の地之巻では、神傳流秘書と曽田先生による五藤先生の業附口伝との混線が見られます。
 政岡先生の古伝解説は、出典は曽田先生の書き写された曽田本を元にされたか、河野先生が曽田先生から曽田本を得て書かれた無双直伝英信流居合叢書に依るか、はたまた古伝神傳流秘書の原本に依るのか興味の有るところです。


以下参考に
曽田本その1神傳流秘書による大小立詰四本目〆捕
「相懸り二両方より懸る時相手両手にて我刀の柄を留我左の手尓て相手の脇つ保へ入れて両手を〆引上如何様尓も投る也」

政岡壱實先生の無双直伝英信流居合兵法地之巻による大小立詰一本目〆捕
「相懸りに両方より懸る時相手両手にて我刀の柄を留我右の手尓て相手の脇つぼへ入れて両手を〆上げ如何様にも投る也」

曽田先生による五藤先生の業附口伝大小立詰では〆捕は一本目になっています。
「互に対立する也打は両手にて仕の柄を握るを仕は左手を以て打の左手首を握る也更に此の時直ぐに仕は右手にて打の両腕を絞め込み我が体を台にして之れを極める也
(敵両手にて柄を取る左手にて敵の左の手首を抑え右手にて敵の両肱を押え体を込み〆付ける)」

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2017年3月20日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流3大小立詰3鍔打返

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
7、重信流
3)大小立詰
三本目鍔打返
鍔打返
 相懸り二懸り我刀を抜かむと春る其の手を留られたる時柄を放し手を打ちもぐ也
読み
鍔打返(つばうちかえし)
 相懸かりに懸かり 我が刀を抜かんとする其の手を留められたる時 柄を放し手を打ち捥ぐ也
読み解く
 この業はすでに、大小詰の四本目小手留で解説しています。

 四本目小手留「立合の鍔打返に同じ故に此処にては不記」

 右手で柄を握った処を相手に右手で押さえられる、或は両手で押さえられる、そこで柄から手を離し、左手に持つ鍔で相手の手を打ち据えもぐ、と読んでみました。

 古伝は「手を打ちもぐ」とばかりですから想像を働かせるところでしょう。

曽田先生による五藤先生の業附口伝大小立詰鍔打返
「互に対立する也打は仕の抜かんとする右手首をとる也仕は右手を放すと同時に左手に持てる鍔にて打の手首を打つ也」
(抜かんとする時其手を押へる左手にて敵の手首を打)

 打の手首を鍔で打ち柄を握る手を打ち捥いだ後は何も書かれていません。想像を巡らし敵をどの様に制しますか。古伝は自分で考えてやれというのでしょう。おおらかです。

 時代が下がると、どんどん技が固定化されていくのはいつの時代も同じです。より克明にと云うことか、全ての動作をマニュアル化して特定しないと満足できないようです。 想像し創造する事が出来ないとどうなるのでしょう。マニュアルに頼る摺り込まれた事だけが頼りの人間ロボットでしょう。

 

 

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2017年3月18日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流3大小立詰2骨防返

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
7、重信流
3)大小立詰
二本目骨防返
骨防返
 相懸り二懸りて相手我刀の柄を留めたる時我右の手にて柄頭を取り振りもぐなり
読み
骨防返(ほねもぎかえし 大小詰の二本目骨防扱にホネモギのルビありによる)
 相懸かりに懸かりて 相手我が刀の柄を留めたる時 我が右の手にて柄頭を取り振り捥ぐ也
読み解く
 此の業は大小詰の二本目骨防扱に有りました。「立合骨防返に同じ故に常になし」と大小詰ではいつもは稽古しないと言っていました。

 大小立詰めは、打太刀は小太刀を差し、遣方は太刀を差しての立業です。
 相方スカスカと歩み寄り、相手が我が刀の柄を両手で取って抜かさない様に押し付けて来る。
 我は透かさず右手を柄頭に取って柄を上に引上げ相手の手を振りもぐ。相手が我が柄を取るのが、右手だけ、両手、左手など在りそうですが同じ動作で応じられそうです。

 「振りもぐ」の方法は、柄がしらを両手で取って上に引き上げるだけで外せるでしょう。強く握られていれば、上に引き上げ相手の手首に掛ける様に「引き廻し振りもぐ」。

 振り捥いだら、後は抜き打ちでも柄當でもありでしょう。古伝は語らずです。

 繰り返しになりますが、座した時の大小詰の骨防を参考にしてみます、曽田先生による五藤先生の業附口伝大小詰二本目骨防
互に対座、打は両手にて仕の柄を握る仕は右拳を顔にあて其のひるむ時に乗じ右足を柄越にまたぎ右足内側より右手を柄に添へ右足にて敵の両手を押払うと同時に柄を防ぎ取る也此の時敵は我右脇へ匍ひ倒る也
(向ふて居る両手にて柄を押し付る時直に右手にて面へ当て其儘に乗り右足をふみ込み柄へ手をかけもぐ)」

五藤先生の骨防返の業附口伝大小立詰四本目骨防返
「互に対立する也打は仕の柄を両手にてとりに来る也我は右手にて敵の両手を越して柄頭をとって両手にて上にもぎとる也
(敵両手にて柄を取る時引廻しもぐ)

*五藤先生の「引廻しもぐ」も稽古しておくと良いかも知れません。形や方法が一つだけでは実戦に役立たない場合もあります。
 形ばかりに拘って稽古熱心、その上出足引き足の歩数ばかり上手でも、形だけでは業にはなりません。
 喧嘩慣れしたやくざにはコロッと負ける話も聞いたような・・。江戸末期に竹刀による試合稽古に慣れた者に古流の形稽古を順番通りに演じるばかりの者が打ち負かされる話もある様です。
 現代でも同様で、申し合わせの形稽古に試合う意識をもった工夫がなければ、藁は切れてもスポーツ剣道にポンポン叩かれます。

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2017年3月16日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流3大小立詰1袖摺返

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
7、重信流
3)大小立詰
一本目袖摺返
大小立詰(重信流立合也)
袖摺返
 我が立て居る処へ相手右脇より来て我が刀の柄と鐺を取り抜かせしと春る時其儘踏ミしさり柄を相手の左の足のかゞみ二懸け中二入り又我右より来り組付をひぢを張り躰を下り中に入る
読み
大小立詰(重信流立合也)(だいしょうたちつめ(しげのぶりゅうたちあいなり))
袖摺返(そですりかえし)
 我が立ちて居る処へ 相手右脇より来たりて 我が刀の柄と鐺を取り 抜かせじとする時
其の儘踏みしさり 柄を相手の左の足のかゞみに懸け中に入り 又 我が右より来たり組み付くを肘を張り体を下り中に入る

読み解く
 立って居る処へ、相手我が右脇から近寄って来て、我が柄を右手で、鐺を左手で取り抜かさない様にする。
 「抜かせしと春る時」については鐺を背なかに押し付けて来る、としてみました。
 我は其の儘後ろにさがり、柄を相手の左足のかゞみに懸けて体を低めて中に入り押し倒す。足のかゞみとは膝の後ろでしょう。
 又は、相手が我が右より近づいてきて組付くので、ひじを張って相手の組み付を緩め体を低く沈めて中に入り相手の足を取って押し倒す。

 この手附は「中に入り」で終わっています。後の先を取って次の動作はご自由にと云う処とも思えませんがそこまでです。

曽田先生による五藤先生の業附口伝大小立詰二本目袖摺返
「打は横より組付仕肱を張りて一當すると同時にすぐに打の刀を足にすけて後に投る也
(五藤先生は一當して中に入り刀を足にすけ後へ投ると記せり)
(左右共同前横合より組付ひじを張り一當して中に入り刀を足にかけ後へ投げる左右共同前)」

*五藤先生の場合は、組み付いてくるので肘を張って、相手の脇腹に一當して怯む隙に「打の刀を足にかけ」と云って、相手の刀(鞘でしょう)を相手の足のかゞみに懸け後ろに投げるのですが、此処は神傳流秘書では我が刀の柄を相手の足のかゞみに懸け後ろに投げ倒す、と読めます。

 この業附口伝は神傳流秘書の大小立詰一本目は袖摺返ですが五藤先生の業附口伝は二本目が袖摺返です。
一本目は「〆捕」で、業の内容が異なります。〆捕は神傳流秘書では四本目に位置します。
 順序は好きなようにしてもいい、気乗り次第だと云っていましたが敢えて順番を変えた理由が解りません。

 業名の袖摺返は大江先生が奥居合立業の七本目袖摺返として古伝抜刀心持之事の十一本目行違を改変した業に名付けています。 古伝神傳流秘書の抜刀心持之事には袖摺返しに相当する業は有りません。
 大江先生が奥居合を改変されたと言われていますが其の痕跡は証明できません。大江先生以前に変えられた様な気がしています。江戸末期から明治にかけて谷村派も下村派も正統を伝承しきれないまま引き継がれてきたような気がして大きな断層を見て居る様です。

 参考に古伝抜刀心持之事十一本目行違
「行違に左の脇に添へて払い捨冠って打ち込むなり」

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