曽田本その1の2英信流目録読み解く初めに

2017年10月14日 (土)

曽田本その1の2英信流目録読み解く初めに

曽田本その1
 
2.英信流目録読み解く

曽田本を読む英信流目録

1、初めに

此の目録は 昭和二十三年六月? 大阪河野稔氏へ伝授したり

 谷村亀之丞自雄先生直筆
 英信流目録(二巻) 筆山秘蔵ス
 谷村亀之丞先生伝書寫 
         居合 大森流 長谷川流ナシ
         棒太刀合 之□
         居合心持引歌ハ山川先生ノモノト同様二ツキ省略
         長谷川流居合以下伝書ナシ残念ナリ

 下村派の伝承者曽田虎彦先生の神傳流秘書に伝書は、これから読み解いていく「英信流目録二巻」です。
 下村派の曽田虎彦先生が古伝を書き写したもので、これが現在の夢想神傳流であると云う事では無く、夢想神傳流にも無双直伝英信流にも元となる古伝と言えるでしょう。元々は第九代林六太夫守政によって江戸から土佐に持ちこまれた総合武術です。

 谷村亀之丞自雄先生は谷村派第15代で、山川先生は下村派です。

 この「英信流目録二巻」は、奥書きによれば、安永五年(1776年)冬十月に谷村派、下村派に分かれる二代前の第十二代林政誠によって書かれた伝書を嘉永五年(1852年)六月谷村派第十五代谷村亀之丞自雄が書写されたものです。
 曽田虎彦先生が「筆山秘蔵す」とありますから谷村亀之丞自雄の書写された原本をお持ちだったのでしょう。

 「この目録は昭和23年6月 大阪河野稔氏へ伝授したり」と曽田先生の添書きがされています。
 コピーを贈られたか、直筆で書き写して河野百錬先生に送られたのでしょう。
 第二十代無双直伝英信流宗家河野百錬先生の「無双直伝英信流居合兵法叢書」昭和30年1955年発行の元資料となったのでしょう。

 神傳流秘書の原本は英信流目録より前に書きあげられていたものでしょう。恐らく、神傳流秘書は享保十七年1732年~安永五年1776年の42年間に第十代林安太夫政詡によって書かれたと思うのですが、それより古ければ第9代林六太夫守政が享保十七年1732年以前に書いているのでしょう。
 享保十七年1732年は土佐に此の居合をもたらした第九代林六大夫守政が没した年です。
安永五年1776年八月八日は第十代林安太夫政詡が没した年でした。
 この年十月に第十二代林益之丞政誠が「英信流目録二巻」を「改之」としています。

 谷村亀之丞自雄先生伝書写の「英信流目録2巻」は歯抜けの伝書です。

 内容は、居合棒立合巻 並 大森流居合・小太刀之位だけしかありません。

 曽田先生の添書きには「居合心持引歌は山川先生のものと同様につき省略」とありますので神傳流秘書にあるから書写していない、と言うのでしょう。
「長谷川流居合以下伝書なし残念なり」です。

 これから順次この「英信流目録2巻」を読み込んでいきます。

居合棒太刀合の巻 並 大森流居合、小太刀之位

1、棒太刀合之位 八本

2、棒合五つ 五本

3、心持之事 五本

4、極意之大事 八本

5、小太刀之位 六本

6、大森流居合之位 十一本

以上五十三本です。棒は坂橋流之棒と同様でしょうがさらに詳しく書かれています。1~4までが棒の手附です。
 5はこの英信流目録にしか見られない小太刀之位で、仕太刀は小太刀、打太刀は太刀による手附となります。これを知る方も、打たれる方もお見かけしません。
 
 第20代河野百錬先生の「無双直伝英信流居合兵法叢書」によって昭和30年1955年には、世に出ていながら、当時の先生方は居合抜ばかりに精を出されていたのか、師匠のいない形を手附から振り付け演じる事をされなかったようです。

 それは「古伝には興味なし、何故なら古伝を手解きしてくれる師匠が居ない」といったものかも知れません。
6番目は大森流居合で現在の無双直伝英信流正座の部となります。

 

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