曽田本その1の4居合根元之巻読み解く
2018年5月 4日 (金)
2018年5月 3日 (木)
曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録27獅子之洞出之大事28獅子之洞入之大事
2018年5月 2日 (水)
曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録26潜り之大事戸脇之事
曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録25閨之大事
曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録24夜之太刀之大事
2018年4月21日 (土)
曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録23の中野之幕之大事
6、閨之大事
*
小屋内に入って居る取籠者などを成敗する時は、竹の先に横手を十文字に括り付けその横手に羽織の袖を通し、竹の本を左手で持って向こうへ差出し、右手に刀を持って、生捕る場合は木刀で、我が身は羽織の陰に隠れ、相手の方へ突き付けていく、向こうより切って来ても羽織に切りつけるのでとどくことはない。其処を持っている刀で相手の足を薙ぎ払うのである。亦矢玉なども羽織で防ぐのにも至って宜しい。
何故か、ほのぼのとした古き良き時代の風景が浮かんできます。効果のほどは、相手が見境なく上気して、我は沈着冷静、ほの暗い納屋などを想像してしまいます。
身を守る事は、行政や警察など自らの自己責任では無く社会環境が為す事位の現代日本人の脳天気では、野中之幕は漫画です。
しかし、武術は人の心を推し量る能力も養う事でなせるものだろうと思います。
2018年4月20日 (金)
曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録22太刀目附事
6、閨之大事
*立合いの目付は敵の足に目を付ける事、是によって場合の状況を良く知る事が出来るものである。それだけでは無く臆する事も無い。
上を見ぬ鷲之位とも云うのである。心は下にあって事が上にあり速やかに応ずる油断の無い心である。
「事さ上に速に応ずる」の「事さ」は解読不明ですが、敵の足に目付けをしていれば、敵との間合いも、動作の起こりも把握可能なので心を下に澄ませて置き、上での起こる事に速やかに応ずる油断なき心の目付というのでしょう。
2018年4月19日 (木)
曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録21立合心之大事
6、閨之大事
組付たる処にて其気先にてすぐに突べし
*互いに太刀を真向に打ち下ろし、太刀が触れ合う処に勝ちがある、敵の太刀より遅く打ち下したと見えても敵の太刀に上太刀になる位がある。唯肝要なのは拳に打ち込めたか否かである。
組み合って上太刀になるや太刀の切先にてすぐに突くべし。
これは、どうやら新陰流の合し打ちによる十文字勝ちのようです。相手の太刀に遅れて打ち下ろし相手の太刀の上に乗り即座に相手の拳に摺り込んで突く事を言っているようです。
ここにも第九代林六太夫が大森六郎左衛門より学んだ真陰流の業が秘められているようです。
参考に、土佐には、衣斐丹石の丹石流が山内一豊、二代山内忠義に仕え野中兼山の失脚とともに衰えています。
上泉伊勢守の門人小笠原玄信斎が真心陰流を起こし、その弟子小林市郎左衛門の孫小林喜太夫が近江の長浜で山内一豊に抱えられ土佐に随従しています。
柳生新陰流は柳生但馬の高弟出淵道先の次男三郎兵衛が元禄10年1697年知行三百石で仕えたが、馬術指南役国沢五郎左衛門との馬上での仕合を行い馬術に悩まされ得意の剣法が繰り出せず敗退して、それを恥じて知行を返上しています。
また、都治月丹による無外流が宝永4年1707年頃から5代藩主山内豊房に召されて出入りがあったようです。6代藩主山内豊隆の正徳5年1715年には出入り料20人扶持が給付されています。
その後享和5年1720年には月丹の4代目辰五郎が15人扶持格式は御小姓格江戸詰めで正式に抱えられています。無外流は土佐に根を下し明治以後土佐の無外流剣客川崎善三郎を生んでいます。
2018年4月18日 (水)
曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録20捕手和合居合之大事
6、閨之大事
大小指違と云は世人脇指を帯二重に指刀を三重にさすなり居合の方にては二重に刀を指し三重に脇指を差す也敵に出合たる時大小を子(ね)じ違へて脇差をば下し指しにして刀を抜戦べし然るときは脇指の柄まぎる事無亦刀のさやの鐺は子(ね)る故に足を打つことなく働の自由宜し常に此の如く指すべし
*
敵と立合うのに、兎やせん角やせんと企む事は甚だ嫌う事である、況や敵を見透かして彼がこの様に打ち出して来たら其の所をこの様にして勝とうなどと思い頼む事は甚だ悪い。
先ず我が身を土壇と極めて何心も無く場に出て行くのである。
敵が打ち出す所にちらりと気移りする処に勝事である。常の稽古でも思案に暮れて企む事を嫌う。能々この念を去り修行する事肝要中の肝要である。
大小指し違いと云うのは、世人は脇差を帯二重の下に差し、刀を帯三重の下に差すのである。
居合では帯二重の下に刀を指し、帯三重の下に脇指を差すのである。
敵に出合った時は、大小をねじ違えて、脇差を落し差しにして刀を抜き戦うべきものである。その様にすれば脇指の柄が邪魔になる事は無い。又刀の鞘の鐺がはねて足を打つ事も無く、働きが自由になって宜しい、常にこの様に大小を指し違いに指すものである。
「大小をねじ違へて」とは太刀が上にあって小太刀が下にあるのを、小太刀を落とし差しにして太刀の柄の上に小太刀の柄がある様にする事でしょう。
この様にすれば、脇差の柄が邪魔になる事も無いと云うのです。
「亦刀のさやの鐺は子(ね)る故に足を打つことなく働の自由宜し常に此の如く指すべし」
指し違いにして指していれば、鐺がはねても足を打たない、の状況が認識できないのですが、ご存知の方は状況をご教授ください。
2018年4月17日 (火)
曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録19智羅離風車
6、火村風・7、鉄石・8、遠方近所・9、外之剱・10、釣瓶返
*
智羅離風車(ちらりふうしゃ)の読みで良いのでしょう。漢字は当て字でしょう。一瞬のまどわしによる勝口の教えです。
手拭でも煙草入れでも相手の顔に投げつけ相手がビクとする処を切るのである。又、刀を抜いて柄と一緒に扇などを持って打ち込む様にしてその扇を投げ付けビクとする処を打ち込んで勝のである。
相手をビクとさせて一瞬気を奪っておいて、その処を切るのは「上意之大事」の教えで三角、四角の業の教えにありました。極意の大事では、火村風、逢意時雨、外之劔、鉄石などもこの教えと同じです。
奇襲は当たり前の事であったのでしょうが、平和が続き江戸末期には卑怯な行為とも取ったのかも知れません。
智:知恵、さとい、賢い
羅:あみ、つらなる、つらねる、目のすいた薄い絹物(うすもの)
離:はなす、はなれる、とりつく、
より以前の記事一覧
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録18釣瓶返 2018.04.16
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録17 2018.04.15
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録16 2018.04.14
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録15 2018.04.13
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録13・14 2018.04.12
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録12 2018.04.11
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録11 2018.04.10
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録10 2018.04.09
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録9 2018.04.08
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録8 2018.04.07
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録7 2018.04.06
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録6 2018.04.05
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録5 2018.04.04
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録4 2018.04.03
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録3 2018.04.02
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録1 2018.03.31
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く5小藤亀江伝来の道統 2018.03.29
- 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く1小藤亀江伝来序文 2018.03.24
その他のカテゴリー
介錯口伝・他・神妙剣 古伝研究会(無雙神傳英信流居合兵法) 品川東海寺所蔵柳生新陰流兵法覚書 女剣士 居合兵法の和歌15-7 居合兵法極意巻秘訣15-6 居合兵法極意秘訣15-3 干支を読む 文化・芸術 旅行・地域 日記・コラム・つぶやき 書を楽しむ 曽田本その1の3業附口伝原文4大小立詰 曽田本その1の3業附口伝読み解く4大小立詰 曽田本その2を読むの2 曽田本その2を読むの3 曽田本その1の1神傳流秘書を読み終えて 曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く始めに 曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く1抜刀心持引歌 曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事 曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く2居合兵法伝来 曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く3大森流居合之事 曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く4英信流居合之事 曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く5太刀打之事 曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く6坂橋流棒 曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流1詰合 曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流2大小詰 曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く7重信流3大小立詰 曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く8大剣取 曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く9抜刀心持之事 曽田本その1の1神傳流秘書原文1抜刀心持引歌 曽田本その1の1神傳流秘書原文始めに 曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事 曽田本その1の1神傳流秘書原文2居合兵法伝来 曽田本その1の1神傳流秘書原文3大森流居合之事 曽田本その1の1神傳流秘書原文4英信流居合之事 曽田本その1の1神傳流秘書原文5太刀打之事 曽田本その1の1神傳流秘書原文6坂橋流棒原文 曽田本その1の1神傳流秘書原文7重信流1詰合 曽田本その1の1神傳流秘書原文7重信流2大小詰 曽田本その1の1神傳流秘書原文7重信流3大小立詰 曽田本その1の1神傳流秘書原文8大剣取 曽田本その1の1神傳流秘書原文9抜刀心持之事 曽田本その1の2英信流目録原文初めに 曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合巻 曽田本その1の2英信流目録読み解く初めに 曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合巻 曽田本その1の3業附口伝原文を読み解く初めに 曽田本その1の3業附口伝原文1太刀打之位 曽田本その1の3業附口伝原文2詰合之位 曽田本その1の3業附口伝原文3大小詰 曽田本その1の3業附口伝読み解く1太刀打之位 曽田本その1の3業附口伝読み解く2詰合之位 曽田本その1の3業附口伝読み解く3大小詰 曽田本その1の4居合根元之巻原文 曽田本その1の4居合根元之巻読み解く 曽田本その1の5居合兵法極意秘訣原文 曽田本その1の5居合兵法極意秘訣読み解く 曽田本その1の6英信流居合目録秘訣原文 曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く 曽田本その1の7居合兵法極意巻秘訣原文 曽田本その1の7居合兵法極意巻秘訣読み解く 曽田本その2を読む 曽田本その2を読むの4 曽田本スクラップ土佐の居合 曽田本スクラップ居合 曽田本スクラップ戦時下 曽田本免許皆伝目録15-11 曽田本業附口伝15-10 曾田本その1の8その他原文 曾田本その1の8その他読み解く 曾田本その1の9居合兵法の和歌原文32首 曾田本その1の9居合兵法の和歌読み解く32首 曾田本その1付録曽田虎彦研究中抜刀術 曾田本その2を読み解く 月之抄を読む 無雙神傳英信流居合兵法1抜刀心持之事 神傳流秘書14-10英信流目録小太刀之位 神傳流秘書14-1序 神傳流秘書14-2引歌及び伝来 神傳流秘書14-3大森流・英信流・太刀打 神傳流秘書14-4棒 神傳流秘書14-5詰合 神傳流秘書14‐6大小詰・大小立詰 神傳流秘書14‐7大剣取 神傳流秘書14‐8抜刀心持之事 神傳流秘書14‐9夏原流和之事 秘歌之大事 稽古の日々 英信流居合目録秘訣15-4 英信流目録15-8 蝶 道場訓 道歌3田宮流居合歌の伝 道歌4無外流百足伝 道歌5柳生石舟斎兵法百首 道歌6卜伝百首
最近のコメント