曽田本その1の4居合根元之巻読み解く

2018年5月 4日 (金)

曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録後書

曽田本その1
4.居合根元之巻読み解く
6、小藤亀江伝来の目録
後書
右九ヶ條者深秘之極意也非真實之人者努々不可有相伝者也
無雙直伝英信流居合就多年御熱心太刀次悉令相伝□ 向後御嗜専要候御所望之仁於有之者兼而其之人之取四罰文御指南尤可仍許免之状如件
 明治三十四年六月十五日  
 谷村樵夫 自庸
 小藤亀江殿
読み解く
 右九ヶ條は深秘の極意也 真実の人に非ざれば努々相伝有るべからずのものなり。
 無双直伝英信流居合を多年御熱心に就き太刀次悉く相伝せしむ 向後 お嗜み専ら要し候 御所望の仁之有るに於いては かねてその人の四罰文を取り御指南し 尤もにつき免許の状よって件の如し
 明治三十四年(1901年)六月十五日
 谷村樵夫 自庸
 小藤亀江殿

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2018年5月 3日 (木)

曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録27獅子之洞出之大事28獅子之洞入之大事

曽田本その1
4.居合根元之巻読み解く
6、小藤亀江伝来の目録
23無雙直伝英信流居合目録
居合心持肝要之大事
1、捕手和合居合心持之大事
2、立合心之大事
3、太刀目附事
4、野中之幕之大事
5、夜之太刀之大事
6、閨之大事
7、潜り之大事戸脇之事
8、獅子之洞出之事
9、獅子之洞入之事
読み解く
 獅子洞入、獅子洞出として古伝に有ります。
 獅子洞入
 是以戸口抔を入るの習い也其の外とても心得あるべし
 或は取り籠り者抔戸口の内に刀を振り上げて居るときは容易に入る事不能
 其の時刀を抜いて背に負うたる如くに右の手にて振り上げ左の手にて脇差を下げ俯きて戸口を入るべし
 上より打込めば刀にて防ぎ下をなぐれば脇差にて留る、向うの足をなぐべし
 獅子洞出是以て胴出入の心得を知らす也
戸口などを出入する場合の心得として、入り口の奥で刀を振り上げて待つ敵が居る途察したらば、刀を右手に持って背に負う様に持ち、脇差は下げて俯いて戸口を入る。
 上から切り下ろされたならば刀で防ぎ、下をなぐってきたら脇指で留める。相手の足を薙ぐべし。
 出入共に使える心得である。
 
 

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2018年5月 2日 (水)

曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録26潜り之大事戸脇之事

曽田本その1
4.居合根元之巻読み解く
6、小藤亀江伝来の目録
23無雙直伝英信流居合目録
居合心持肝要之大事
1、捕手和合居合心持之大事
2、立合心之大事
3、太刀目附事
4、野中之幕之大事
5、夜之太刀之大事
6、閨之大事
7、潜り之大事戸脇之事
8、獅子之洞出之事
9、獅子之洞入之事
・読み解く
古伝では「泳之大事 附 戸脇」があります。
 旅にても常にても夜寝るに気がかり感ずる其の家に戸框抔あらば、其の戸框の内に手水鉢か亦桶の類にても置くべし、不意に入り来る者は是につまずき騒動するなり其所を仕留る也
 惣じて首より先へ入るをきろう足より先へ入るべし
 
 附けたり、戸脇と云うは夜中に戸口を入るに必ず内裏我を切らんと心懸けて戸脇に振り上て居ると思うときは、直に戸口を入る事無く、杖抔を持合たらば其れをちらりと内へ差し出し見べし、もし内に待ち設けて居るときは夜中の事なれば必ず其れに切り付くべし杖を出して見てかっちりと何ぞ當らば其のまま内に飛入るべし
 猶予否やする時は害有りかっちりと當るや否や飛び入るときは二の太刀をかえすに暇無き故害せらるる事なし
 潜りの大事なのか泳ぎの大事なのか、何れでもない夜中に戸口を中に入る心得です。戸の框の辺りに手水鉢や桶があれば置いて、不意に踏み込んで来てもつまずいて騒ぐので其処を斬る。大方首から入らずに足から入って来るものである。
 附けたりとして、戸脇では中に入ろうとする時、刀を振り上げて待ち受けていると思う時、直ぐに入らずに杖などを持って居たならば、それをちらりと差し出して見る。もし待ち受けているならばそれに切りつけて来るので、かちりとあたってくれば、其のまま飛び込んでしまう。
 敵は二の太刀を振るう暇がないので害せられることはない。
 

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曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録25閨之大事

曽田本その1
4.居合根元之巻読み解く
6、小藤亀江伝来の目録
25無雙直伝英信流居合目録
居合心持肝要之大事
1、捕手和合居合心持之大事
2、立合心之大事
3、太刀目附事
4、野中之幕之大事
5、夜之太刀之大事
6、閨之大事
7潜り之大事戸脇之事
8、獅子之洞出之事
9、獅子之洞入之大事
読み解く
6、閨之大事
 古伝「居合心持肝要之大事」の5番目に「閨之大事」があります。
 旅抔に泊る時夜中気遣敷時か又常にも用心有る時は、先ず笄隠しを用べし、笄隠しと云うは行燈の土器に楊枝を横に渡し笄を火の上にそっと置く也、火消たる如し、入用なれば笄を除くれば火明か也。
 扨其間に戸口あらば畳を一枚はぎて其の戸にもたせ楊枝を柄にして置くべし、外より戸を明くれば楊枝に畳もたせて有る故に畳速やかに倒るゝ也、寝て居ると云え共其の音に驚かずと云う事なし。
 また急なる時は我は座の隅に座し、寝床は座の真中に我が伏し居る如くに見せて置くべし。
 亦ゆるやかなる時は、四方より糸を十文字に引渡し其の糸を入口の戸に付け置て、茶碗に茶を入れ其の茶碗を糸の十文字の違目にからめ付、我が顔をその茶碗の下へやりて寝るべし、外より戸を明る(開ける)時は、糸動く故其水こぼれて我が面に落る故驚くなり、是を夢間の寝覚と云う也。
 又常にいため紙の水呑を拵て四方に穴を明て懐中すべし、右の茶碗の代わりに用いる也、尤枕本に大小を置くことなく、刀の下緒に脇差を通し刀の下緒の端しを手に持て寝べし火急のとき大小を否や取って指すに宜し。
 旅などで気遣わしい時の用心の方法を述べています。行燈の土器に楊枝を渡してその上に笄をのせて火が消えた様にして置き、事あれば笄を取り外せば明るくなって応じやすくなる。
 畳を一枚、楊枝を支えにして入り口の戸に立てかけて置けば、外から戸を開けても畳が倒れてその音に驚いて目が覚める。
 急に危険を察知したら部屋の隅に座し、寝床は部屋の真中に寝て居る様に見せかけて置け。
 直ぐに襲われると云う事でもないならば、糸を戸に付け十文字に部屋に引き渡して置いて十文字の交点に茶碗に茶を入れて吊るし、その下に寝れば、外から戸を開ければ茶がこぼれて驚いて気が付く。是を夢間の寝覚めと云う。
 いため紙で水呑を拵ておいて四方に穴を開け茶碗の代用とする。
 枕許に大小を置かずに刀の下緒に脇差を通して置いて、下緒を手に持って寝れば急な時にも応じられる。
 方法はともかく、なんとなく危険を感じる時の用心はして置くべきでしょう。地震や水害、不意の侵入者など現代にも通じる心得ですが、疎かにしているようです。
 せめて枕元に懐中電灯、携帯ラジオ、携帯電話、2日分ぐらいの食糧、雨具や防寒具。あれもこれもと思う間に疎かになっています。

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曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録24夜之太刀之大事

曽田本その1
4.居合根元之巻読み解く
6、小藤亀江伝来の目録
24無雙直伝英信流居合目録
居合心持肝要之大事
1、捕手和合心持之大事
2、立合心之大事
3、太刀目附事
4、野中之幕之大事
5、夜之太刀之大事
6、閨之大事
7、潜り之大事戸脇之事
8、獅子之洞出之事
9、獅子之洞入之事
読み解く
5、夜之太刀之大事
 古伝「居合心持肝要之大事」の5番目も「夜之太刀」ですから同じものと判断してもいいでしょう。
夜之太刀
 夜中の仕合には我れは白き物きを着るべし敵の太刀筋能見ゆるなり場合も能知るゝものなり放(ハズレ)口もなり安し白き肌着抔を着をたらば上着の肩を脱ぐべし構えは夜中には下段宜し敵の足のを薙ぐ心得肝要なり或は不意に下段になして敵に倒れたると見せて足を薙ぐ心得も有る可し
 夜中に仕合うには、我は白い物を着るのが良い、敵の太刀筋良く見えるし、場の状況も良く知れるものである。放し口(外し口)も容易である。
 白い肌着などを着ているならば上着の肩を脱いでおくのが良い。
 構えは夜中には下段が良い、敵の足を薙ぐ心得を肝要とする。不意に下段にすれば敵は倒れたと思う隙に足を薙ぐ心得も持つものである。
 白い着物は敵からも見付けやすい筈ですが、かえって敵の状況や周囲の状況が判断しやすいと云います。真っ暗闇ではどうかと思いますが、多少の光があれば白い着物に反射して見やすいというのでしょう。
 夜中の構えは下段が良いと言っています。見ようとすれば上ばかり気にする、其処を足を薙げというのでしょう。
 不意に下段にすれば敵は我が倒れたと思うので隙をついて足を薙ぐのだとも言っています。状況次第ではあり得ることかも知れません。この辺は素直に受け取って孫子の「兵は詭道なり」を考える処でしょう。
 河野先生の居合の哲学は、一方的先制攻撃を嫌っていますが、少々考えさせられます。
 敵が害意をもって攻撃して来たので機先を制して先制攻撃する、そのために腕を磨くのは大切な事です。
 しかし、それではただの早い、強いばかりの稽古に過ぎずより早い強い者には勝てない事になってしまいます。
 居合の鞘の内の理念「相手を圧する心意気を以て鞘放れの瞬時に相手を制すること、これ即ち居合の生命にして鞘の内と言う」、」抜刀する以前に為す勝つべき施策が術となるはずです。
 
 「兵は詭道也」は、戦闘行為は敵を欺く行為でもあります。不能であるように見せたり、不用のものと思わせたり、近いにもかかわらず遠くに見せたり、遠いものを近く見せたり、敵に利がある様に思わせ誘い込んだり、攪乱したり、充実していない様に見せたり、強いのに弱く見せたり、敵を驕らせたり、・・、隙を見せて敵の弱点を突く、や、不意の攻撃などによって戦術は成り立つものです。
 
 
 
 
 
 

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2018年4月21日 (土)

曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録23の中野之幕之大事

曽田本その1
4.居合根元之巻読み解く
6、小藤亀江伝来の目録
23無雙直伝英信流居合目録
 
居合心持肝要之大事
 
1、捕手和合居合心持之大事
2、立合心之大事
3、太刀目附事
4、野中之幕之大事
5、夜之太刀之大事
6、閨之大事
7、潜り之大事戸脇之事
8、獅子之洞出之事
9、獅子之洞入之事
読み解く
、野中之幕之大事
 小藤亀江伝来の目録には居合心持肝要之大事は目録の表題9項目が記載されています、古伝「居合心持肝要之大事」でも表題は9項目なのですが表題が以下の通りです。
番目及び2番目は小藤亀江伝来の目録とは表題が違います。3番目以降は同じと見ていいでしょう。
居合心持肝要之大事 付 大小指違之事
1、居合心持立合之大事 大小指違
2、太刀組附位
3、太刀目附之大事
4、野中之幕
5、夜之太刀
6、閨之大事
7、泳之大事(潜り之大事)
8、獅子洞入
9、獅子洞出
、野中之幕
 取籠者抔の有の時杖の先き或は竹の先に又横手をくゝり付け其横手を羽織の袖に通し其竹の本を左の手に持て向えさし出し右の手に刀を持ち生捕なれば木刀の類を持ち我身は羽織の陰に隠れ羽織をば相手の方へつき付べし向より切ると云へ共我身にはとゞく事なし其所を持ちたる刀にて相手の足を薙ぐべし亦矢玉を防ぐに至て宜し

*
 小屋内に入って居る取籠者などを成敗する時は、竹の先に横手を十文字に括り付けその横手に羽織の袖を通し、竹の本を左手で持って向こうへ差出し、右手に刀を持って、生捕る場合は木刀で、我が身は羽織の陰に隠れ、相手の方へ突き付けていく、向こうより切って来ても羽織に切りつけるのでとどくことはない。其処を持っている刀で相手の足を薙ぎ払うのである。亦矢玉なども羽織で防ぐのにも至って宜しい。

 何故か、ほのぼのとした古き良き時代の風景が浮かんできます。効果のほどは、相手が見境なく上気して、我は沈着冷静、ほの暗い納屋などを想像してしまいます。

 身を守る事は、行政や警察など自らの自己責任では無く社会環境が為す事位の現代日本人の脳天気では、野中之幕は漫画です。

 しかし、武術は人の心を推し量る能力も養う事でなせるものだろうと思います。

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2018年4月20日 (金)

曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録22太刀目附事

曽田本その1
4.居合根元之巻読み解く
6、小藤亀江伝来の目録
22無雙直伝英信流居合目録
 
居合心持肝要之大事
 
1、捕手和合居合心持之大事
2、立合心之大事
3、太刀目附事
4、野中之幕之大事
5、夜之太刀之大事
6、閨之大事
7、潜り之大事戸脇之事
8、獅子之洞出之事
9、獅子之洞入之事
読み解く
、太刀目附事
 小藤亀江伝来の目録には居合心持肝要之大事は目録の表題9項目が記載されています、古伝「居合心持肝要之大事」でも表題は9項目なのですが表題が以下の通りです。
番目及び2番目は小藤亀江伝来の目録とは表題が違います。3番目以降は同じと見ていいでしょう。
居合心持肝要之大事 付 大小指違之事
1、居合心持立合之大事 大小指違
2、太刀組附位
3、太刀目附之大事
4、野中之幕
5、夜之太刀
6、閨之大事
7、泳之大事(潜り之大事)
8、獅子洞入
9、獅子洞出
3、太刀目附之大事
 敵の足に目を付けべし是にて場合能く知るゝのみにてならず臆せざる也是を上見ぬわしの位とも云うなり心は下に有って事さ上に速に応ずる油断無の心なり

*立合いの目付は敵の足に目を付ける事、是によって場合の状況を良く知る事が出来るものである。それだけでは無く臆する事も無い。
上を見ぬ鷲之位とも云うのである。心は下にあって事が上にあり速やかに応ずる油断の無い心である。

 「事さ上に速に応ずる」の「事さ」は解読不明ですが、敵の足に目付けをしていれば、敵との間合いも、動作の起こりも把握可能なので心を下に澄ませて置き、上での起こる事に速やかに応ずる油断なき心の目付というのでしょう。

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2018年4月19日 (木)

曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録21立合心之大事

曽田本その1
4.居合根元之巻読み解く
6、小藤亀江伝来の目録
21無雙直伝英信流居合目録
 
居合心持肝要之大事
 
1、捕手和合居合心持之大事
2、立合心之大事
3、太刀目附事
4、野中之幕之大事
5、夜之太刀之大事
6、閨之大事
7、潜り之大事戸脇之事
8、獅子之洞出之事
9、獅子之洞入之事
読み解く
2、立合心之大事
 小藤亀江伝来の目録には居合心持肝要之大事は目録の表題9項目が記載されています、古伝「居合心持肝要之大事」でも表題は9項目なのですが表題が以下の通りです。
番目及び2番目は小藤亀江伝来の目録とは表題が違います。
居合心持肝要之大事 付 大小指違之事
1、居合心持立合之大事 大小指違
2、太刀組附位
3、太刀目附之大事
4、野中之幕
5、夜之太刀
6、閨之大事
7、泳之大事(潜り之大事)
8、獅子洞入
9、獅子洞出
 前回同様、小藤亀江伝来の目録には解説がない表題だけですから此処では古伝英信流居合目録秘訣の「居合心持肝要之大事 付 大小指違之事」を参考に其の「2、太刀組附位」を解説しておきます。
2、太刀組附位
 互に太刀を打下し組付けたる所に勝あり敵の太刀より遅きと見えても上太刀と成位あり唯肝要は拳也
組付たる処にて其気先にてすぐに突べし

*互いに太刀を真向に打ち下ろし、太刀が触れ合う処に勝ちがある、敵の太刀より遅く打ち下したと見えても敵の太刀に上太刀になる位がある。唯肝要なのは拳に打ち込めたか否かである。
組み合って上太刀になるや太刀の切先にてすぐに突くべし。

 これは、どうやら新陰流の合し打ちによる十文字勝ちのようです。相手の太刀に遅れて打ち下ろし相手の太刀の上に乗り即座に相手の拳に摺り込んで突く事を言っているようです。
ここにも第九代林六太夫が大森六郎左衛門より学んだ真陰流の業が秘められているようです。

 参考に、土佐には、衣斐丹石の丹石流が山内一豊、二代山内忠義に仕え野中兼山の失脚とともに衰えています。
 上泉伊勢守の門人小笠原玄信斎が真心陰流を起こし、その弟子小林市郎左衛門の孫小林喜太夫が近江の長浜で山内一豊に抱えられ土佐に随従しています。
 柳生新陰流は柳生但馬の高弟出淵道先の次男三郎兵衛が元禄10年1697年知行三百石で仕えたが、馬術指南役国沢五郎左衛門との馬上での仕合を行い馬術に悩まされ得意の剣法が繰り出せず敗退して、それを恥じて知行を返上しています。
 また、都治月丹による無外流が宝永4年1707年頃から5代藩主山内豊房に召されて出入りがあったようです。6代藩主山内豊隆の正徳5年1715年には出入り料20人扶持が給付されています。
 その後享和5年1720年には月丹の4代目辰五郎が15人扶持格式は御小姓格江戸詰めで正式に抱えられています。無外流は土佐に根を下し明治以後土佐の無外流剣客川崎善三郎を生んでいます。

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2018年4月18日 (水)

曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録20捕手和合居合之大事

曽田本その1
4.居合根元之巻読み解く
6、小藤亀江伝来の目録
20無雙直伝英信流居合目録
 
居合心持肝要之大事
 
1、捕手和合居合心持之大事
2、立合心之大事
3、太刀目附事
4、野中之幕之大事
5、夜之太刀之大事
6、閨之大事
7、潜り之大事戸脇之事
8、獅子之洞出之事
9、獅子之洞入之事
読み解く
1、捕手和合居合心持之大事
 小藤亀江伝来の目録には居合心持肝要之大事は目録の表題9項目が記載されています、古伝「居合心持肝要之大事」でも表題は9項目なのですが表題が以下の通りです。
番目及び2番目は小藤亀江伝来の目録とは表題が違います。
居合心持肝要之大事 付 大小指違之事
1、居合心持立合之大事 大小指違
2、太刀組附位
3、太刀目附之大事
4、野中之幕
5、夜之太刀
6、閨之大事
7、泳之大事(潜り之大事)
8、獅子洞入
9、獅子洞出
1項目と2項目がアンマッチです。小藤亀江伝来の項目には解説は無いので同じものであろうと断定はできません。
 何時の時代にか、あるいは伝承者によって変わったかもしれません。此処では居合心持肝要之大事の順番で解説しておきます。
 従って1項目は「1、居合心持立合之大事 大小指違」を当てておきます。
1、居合心持立合之大事 大小指違
 敵と立合兎やせん角やせんとたくむ事甚嫌ふ況や敵を見こなし彼が角打出すべし其所を此の如くして勝ん抔とたのむ事甚悪しゝ先づ我身を敵の土壇ときわめ何心なく出べし敵打出す所にてちらりと気移りして勝事なり常の稽古にも思あんじたくむ事を嫌ふ能々此念を去り修行する事肝要中の肝要也

 大小指違と云は世人脇指を帯二重に指刀を三重にさすなり居合の方にては二重に刀を指し三重に脇指を差す也敵に出合たる時大小を子(ね)じ違へて脇差をば下し指しにして刀を抜戦べし然るときは脇指の柄まぎる事無亦刀のさやの鐺は子(ね)る故に足を打つことなく働の自由宜し常に此の如く指すべし


 敵と立合うのに、兎やせん角やせんと企む事は甚だ嫌う事である、況や敵を見透かして彼がこの様に打ち出して来たら其の所をこの様にして勝とうなどと思い頼む事は甚だ悪い。
 先ず我が身を土壇と極めて何心も無く場に出て行くのである。
 敵が打ち出す所にちらりと気移りする処に勝事である。常の稽古でも思案に暮れて企む事を嫌う。能々この念を去り修行する事肝要中の肝要である。

 大小指し違いと云うのは、世人は脇差を帯二重の下に差し、刀を帯三重の下に差すのである。
 居合では帯二重の下に刀を指し、帯三重の下に脇指を差すのである。
 敵に出合った時は、大小をねじ違えて、脇差を落し差しにして刀を抜き戦うべきものである。その様にすれば脇指の柄が邪魔になる事は無い。又刀の鞘の鐺がはねて足を打つ事も無く、働きが自由になって宜しい、常にこの様に大小を指し違いに指すものである。

 「大小をねじ違へて」とは太刀が上にあって小太刀が下にあるのを、小太刀を落とし差しにして太刀の柄の上に小太刀の柄がある様にする事でしょう。
この様にすれば、脇差の柄が邪魔になる事も無いと云うのです。

 「亦刀のさやの鐺は子(ね)る故に足を打つことなく働の自由宜し常に此の如く指すべし」
 指し違いにして指していれば、鐺がはねても足を打たない、の状況が認識できないのですが、ご存知の方は状況をご教授ください。

 

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2018年4月17日 (火)

曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録19智羅離風車

曽田本その1
4.居合根元之巻読み解く
6、小藤亀江伝来の目録
19無雙直伝英信流居合目録
 
極意之大事 
 
1.暇乞・2、獅子洞入・3、地獄捜・4、野中幕・5、逢意時雨
6、火村風・7、鉄石・8、遠方近所・9、外之剱・10、釣瓶返
11、智羅離風車
読み解く
11、智羅離風車
 手拭にても煙草入にても向の面に投付けてビクとする所を切るべし又刀を抜きて其手に扇抔を持添て打込躰にて其扇を投げ付ビクとする所を打込勝なり

 智羅離風車(ちらりふうしゃ)の読みで良いのでしょう。漢字は当て字でしょう。一瞬のまどわしによる勝口の教えです。

 手拭でも煙草入れでも相手の顔に投げつけ相手がビクとする処を切るのである。又、刀を抜いて柄と一緒に扇などを持って打ち込む様にしてその扇を投げ付けビクとする処を打ち込んで勝のである。

 相手をビクとさせて一瞬気を奪っておいて、その処を切るのは「上意之大事」の教えで三角、四角の業の教えにありました。極意の大事では、火村風、逢意時雨、外之劔、鉄石などもこの教えと同じです。

 奇襲は当たり前の事であったのでしょうが、平和が続き江戸末期には卑怯な行為とも取ったのかも知れません。

智:知恵、さとい、賢い

羅:あみ、つらなる、つらねる、目のすいた薄い絹物(うすもの)

離:はなす、はなれる、とりつく、

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